ソーシャルグッド・サミット2013東京ミートアップ(Meet-up)開催報告

2013/10/31


日時 : 2013年9月24日(火)18:00-20:30
場所 : 日本財団ビル2階大会議室(東京都港区)
主催 : 国連開発計画(UNDP)
協力 : 国連ボランティア計画(UNV)
     株式会社ソーシャルカンパニー
      日本財団CANPANプロジェクト
       一般社団法人ボランティアプラットフォーム
      特定非営利活動法人NPOサポートセンター
      なんとかしなきゃ!プロジェクト

ソーシャルグッド・サミット(Social Good Summit)
ニューヨークで国連開発計画(UNDP)、マッシャブル(Mashable)、国連財団(United Nations Foundation)、92st Y(ニューヨークを拠点とする文化・コミュニティセンター)、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、エリクソンがパートナーシップを組んで開始され、毎年国連総会の時期に合わせて、世界各地で開催されているグローバルなイベント。東京でも2011年から東京ミートアップ(Meet-up)を開催している。

当日の概要

第1部
ソーシャルグッド・サミット2013東京ミートアップ(Meet-up)は、弓削昭子UNDP駐日事務所代表・総裁特別顧問の冒頭挨拶で幕を開けました。弓削代表は、ソーシャルグッドにまつわる近年の世界の潮流や、ソーシャルグッドの活性化に寄与しているテクノロジーとの関連について話しました。続いて、市川裕康ソーシャルカンパニー代表より、ソーシャルグッド・サミット2013の概要やその意義について発表しました。市川氏は、マッシャブル(Mashable)という個人のブログサイトから生まれたニュースサイトが発端となってソーシャルグッド・サミットが始まった経緯、世界でソーシャルメディアの影響力が若者を中心に増している点等に触れ、ソーシャルグッド・サミットを活用して、海外の情報を日本の文脈に、日本の情報を海外の文脈に乗せる重要性を指摘しました。

第2部
パネルディスカッションⅠ: 資金を調達して社会を動かす方法―クラウドファンディングの可能性
第2部のパネルディスカッションⅠでは、「資金を調達して社会を動かす方法―クラウドファンディングの可能性」をテーマに、パネリストによるプレゼンテーションとディスカッションが行われました。

梶川拓也ジャスト・ギビング・ジャパン事務局長と田島沙也加READYFORチーフキュレーターは、クラウドファンディングのプラットフォームとしての視点から、その特徴や日本における寄付市場の現状等を発表しました。この2団体のポータルサイトは、寄付と一緒にメッセージを残す機能を備え、支援者と実行者が繋がる仕組みを取り入れています。日本の寄付市場は欧米のそれと違いまだ小さく、アジア全体をみてもまだ伸び白があること、大きなプロジェクトを運営する中で多くの方に知ってもらい、寄付をするという体験をしてもらうことが日本の寄付市場を拡大するためにも重要だと指摘しました。また、多くの人が素晴らしいアイディアを持っているにも関わらず、それを実行に移す人がまだ少なく、非常にもったいなく感じることが多いと話しました。

続いて、根木佳織Civic Force事務局長と小笠原舞asobi基地代表(こども未来プロデューサー)は、クラウドファンディングの実践者として、クラウドファンディングを活用するに至った経緯や資金集めを達成するまでの工夫、その後の支援者との関係などを発表しました。根木氏からは、東日本大震災への支援をしてくれた支援者に、積極的に現地の報告をすることでより関心を深めてもらえ、次の支援に繋がっていったエピソードが紹介されました。小笠原氏は、実際にasobi基地に来て活動を知ってもらうことで、より繋がりが深まったとの感想を述べました。

パネルディスカッション終盤では、モデレーターからの「クラウドファンディングの成功の秘訣は?」との質問に、パネリストは共通認識として①具体性、②実行可能性、そして「寄付=共感に対する対価」という考えから、③如何に共感を得られるかがカギになると話しました。同時に、支援者は日本国内だけにとどまらない現状から、海外にいる方との結びつきの確保、そのためのより魅力的な仕組みや活動をしていく必要性があると、今後についても語りました。

パネルディスカッションⅡ:仲間・アイディアを集めて社会を動かす方法―新しいメディアとクラウドの可能性
第2部のパネルディスカッションⅡでは、「仲間・アイディアを集めて社会を動かす方法―新しいメディアとクラウドの可能性」をテーマに、パネリストによるプレゼンテーションとディスカッションが行われました。

ソーシャルグッドのプラットフォームを提供する、ハリス鈴木絵美Change.org日本代表は、アメリカ発の電子署名プラットフォームChange.orgでは、大きなキャンペーンの他に、生活に密着したキャンペーン(例えば大学生の休学費減額など)も非常に多く、日本でも15万人以上が活用し、身近な“チェンジ”を実現するためにChange.orgを活用していると紹介しました。藤井宏一郎グーグル株式会社執行役員兼公共政策部長は、情報整理企業としてのグーグルが、クラウドソーシングのプラットフォームとしての活動「イノベーション東北」について紹介しました。一般社団法人ボランティアプラットフォーム代表理事福島慎之氏は、国際支援における課題と日本でのボランティアに関わりたいニーズを繋げるプラットフォームとしての役割とその成功の秘訣を紹介しました。最後に、山脇智志株式会社キャスタリア代表取締役は「圧倒的に高品質な教育を圧倒的な低価格で提供」する、モバイルラーニングプラットフォーム事業について発表しました。

続いて、モデレーターから各団体で感じているソーシャルグッドの潮流について質問がありました。その回答として、特にハリス氏からは政治への関心は男性や団塊の世代とそのジュニア(子ども)世代が多い一方、オンライン署名へのワンクリックの抵抗が薄れてきているという現況が紹介されました。藤井氏と福島氏からは東北支援や海外ボランティアへの参加者数は年々多くなってきている等、ポジティブなコメントが多くありました。また山脇氏は、世界的なモバイルラーニングのニーズの高まりが予想されることから、世界におけるITの重要性はより増していると指摘しました。

モデレーターより、それぞれの団体が提供しているプラットフォームを今後いかに広げるかについての質問には、各団体が持つインテリジェンスやシステムをもっと利用者に共有し、仲間との繋がりを深め、次のステップが踏み易くなるような仕組みを作っていくことが必要だと各パネリストは答えました。また、日本には最初の一歩を躊躇う文化があるため、その一歩を踏み出す前段階での仲間づくりの支援にも力を入れるというアイディアも披露されました。

その後会場から「話を聞けば聞くほど現実の繋がりが大切だということに立ち戻る。バーチャルとリアルを繋げる努力をしているか」との質問がでました。これに対し福島氏からは、現実での繋がりが大切だという前提の上で、ITやテクノロジーは人々に知ってもらうという役割において大きな力を発揮するというコメントがありました。さらに、ITは現実の世界におけるソーシャルグッドへの障壁を低くすることに役立っていること、現実の世界で知りあった方にグーグル検索をしてもらい、客観的データで再度知ってもらうこと等、ネットと現実のバランスのとり方が重要であるとのコメントがハリス氏や山脇氏からなされました。

またハリス氏からは、「ネットと現実の境目がはっきりしているのが日本社会の特徴だったが、近年、それが崩壊し始めている。それは日本のネット社会が現実の世界にまっとうな影響力を持つためには歓迎すべきこと」とのコメントもありました。

最後に、会場からの「日本に必要な“Good”は?」との質問に対し、パネリスト全体から「本質的な共感を呼べるような“Good”を実質的に行うこと」、「主体性を持って動くこと」、「グローバルな視点を持ち世界的な枠組みの中で物事が動いていることを意識すること」等、ソーシャルグッドの本質とも言えるコメントを以て、ソーシャルグッド・サミット2013東京ミートアップ(Meet-up)は盛況のうちに閉会しました。

当日の様子は、USTREAMの記録動画やtwitterのまとめサイト「togetter.com」よりご覧いただけます。

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