広島を訪れ、平和記念公園の慰霊碑の前で黙祷を捧げるナイジェリアの地方行政官

 

2018年11月25日、広島の平和記念公園の慰霊碑の前に、ナイジェリア北東部からやって来た三名の地方行政官が立っていました。彼らは、かつて言語に尽くせぬ惨禍の下にありながら見事な復興を遂げた広島の街と、いまだ紛争からの復興の入り口にある自らの国を重ね、辿るべき復興の道のりについて思いを馳せていました。この三名は、UNDPと国際協力機構(JICA)の連携事業によって日本に招聘されました。

ナイジェリア北東部はボコ・ハラムの度重なる攻撃によって甚大な被害を受け、今も170万人以上が住む家を追われて国内避難民として生活しています。UNDPは日本政府をはじめとした連携機関と共に、この地方の早期復興および安定化を支援するため、住民の生計回復、インフラ復旧と雇用創出、過激化対策・社会的結合、地域ガバナンス強化を四本柱とした活動を行っています。この四本柱のひとつである地域ガバナンス強化の一環として、日本の戦後復興において地方行政が果たした役割の経験を伝える事が招聘の目的でした。

ナイジェリア北東部の中でも最も復興の必要度が高いボルノ州・アダマワ州・ヨベ州の三州から一名ずつ、計三名の復興担当事務次官が約二週間、東京と広島を訪れ、復興の経験に関する講義を受け、視察、表敬等を行いました。これら事務次官は各州におけるUNDPの活動の重要なパートナーでもあります。講義や視察の企画運営は、毎年途上国の地方自治体などから多くの行政官に対して研修を行っているJICAが、その経験および知見を活かして行いました。

参加者三名は講義や視察から熱心に学び、「日本とナイジェリアの復興の背景に違いはあるものの、紛争のない平和な社会を構築するための、復興における地方行政官の役割や心構え、住民や地域社会を中心に置いた行政サービス(住民の声を反映し関与を促進)の重要性、中長期的な視点の必要性等について、大変有益な学びを得た」と述べました。さらに、講義外でも、日本での経験を通じて感じた勤勉さ、地方自治のあり方、連帯、住民の計画への関与を通じた信頼醸成といった学びが多々あった、と語りました。

招聘終了後、帰国した事務次官三名は、各地方政府内でワークショップを開催するなどして日本での体験を共有し、各州における復興計画の策定などの参考としています。今後、招聘の内容を踏まえた復興計画の策定および実行を、UNDPが支援していきます。

UNDPは、日本政府およびJICAとの連携を重視し、今後もますます強化していきます。

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