2019年11月、国連開発計画(UNDP)と国際協力機構(JICA)は連携事業として、ナイジェリア北東部の地方政府高官を日本に招きました。招聘の目的は、ボコハラム紛争からの復興を目指す同地域の復興担当行政官に、日本の戦後復興と、地方行政が果たすべき役割に関する経験を伝える事でした。

2週間にわたって行われた本事業には、ナイジェリアの紛争地で最も被害の大きい三つの州、アダマワ州、ボルノ州、ヨベ州から、各州の復興行政機関長官、計3名が参加しました。参加者は東京と広島を訪れ、戦後復興の経験及び地方行政の役割に関する講義を受け、視察、表敬訪問等を行いました。講義や視察の企画運営は、毎年途上国の地方自治体などの多くの行政官に対して研修を行っているJICAが、広島の県や市の協力を得てその経験および知見を活かして行いました。

参加者3名は日本訪問を終えて、日本政府・JICA・UNDPに深い感謝を述べると共に、学んだ点として、復興における地方行政官の役割や心構え、住民や地域社会を中心に置いた行政サービスの重要性、中長期的な視点の必要性等を挙げ、今回の招聘が極めて貴重な学びの機会になったと述べました。さらに、講義外でも、日本での経験を通じて学んだこととして勤勉さや礼儀正しさを挙げました。また、訪問した広島平和記念公園には特に強い感銘を受け、いつか自分たちの州にも平和を実現してそれを記憶する為の記念公園を建設したいと述べました。帰国後、招聘から学んだ点を地方政府内で共有し、それを復興計画に反映するための方策を話し合うワークショップが開催される予定です。

ナイジェリア北東部は、10年以上にわたって続くボコ・ハラム紛争によって甚大な被害を受け、今も170万人以上が住む家を追われて国内避難民として生活しています。UNDPは日本政府をはじめとした連携機関と共に、この地方の早期復興、安定化および平和構築を支援しています。早期復興の一環として地方行政の能力強化も行っており、今回の招聘もそれを目的として実施されました。

UNDPは、日本政府およびJICAとの連携を今後ますます強化し、ナイジェリアにおける平和構築に貢献していきます。

広島県庁で戦後復興の道のりと地方行政が果たした役割に関する講義を受けるナイジェリア地方行政官(撮影:国際交流サービス協会、2019年11月11日)
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