イベントにはアフリカビジネスに関心のある様々な企業、自治体の担当者の方々に参加いただきました

 

国連開発計画(UNDP)は広島にてJETRO広島、JICAとともに本年8月に横浜で開催される第7回アフリカ開発会議(TICAD7)を見据えアフリカビジネスのヒントを掴むセミナーを6月3日(月)に開催しました。

冒頭、南アフリカ、ケニアでの勤務経験がある的場真太郎JETRO広島事務所長がアフリカの目覚ましい経済発展と人口増加、投資環境の変化に伴い、「アフリカには日本の未来がある」ということが現実になってきていることに触れ、アフリカが日本の経済成長を後押しする市場であるという期待感とともに開会の挨拶をしました。

続いて、外務省・TICAD事務局の岡垣さとみ次長補からは、TICAD7がビジネスを中心に据え、アフリカの成長を一層後押しする機会であること、アフリカ側からも日本企業の進出促進を強く要望されていることが紹介されました。また、TICAD7の全体会合の一つのセッションを「官民ビジネス対話」として、民間企業からアフリカの首脳に対してビジネス環境改善や投資政策等に関する要望や意見を直接伝えるセッションを設けることを検討していること、更には官民円卓会議の「民間からの提言書」を受け、官民連携を一層強化する常設のプラットフォームとして「アフリカビジネス協議会」を設置予定であることに触れ、政府も一丸となって企業のアフリカ進出を支援する意向であると述べました。

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アフリカ進出をしている日本企業30社へのインタビューに基づく調査報告書「アフリカ進出のすすめ」を発表した経済同友会からは、アフリカ委員会委員長・豊田通商顧問の横井靖彦氏が、アフリカに成長機会を見出す最新の事例と知見を基に講演しました。

横井氏は、急速な成長変化を遂げているアフリカの現状に対して、日本における認識・理解が追い付いていないのではと述べ、アフリカの潜在的なチャンスについて、成長市場、豊富な若い労働人口(平均年齢20歳以下が人口の過半数)、デジタライゼーションという切り口から説明。また、その一方で、未発達のインフラ、ガバナンスの問題、感染症、治安等、さまざまな課題を巡り、企業の不安や迷いは小さくないであろうと述べ、1970~80年代に日本企業がアジアへ進出した当時の状況にも触れながら、アフリカのチャンスとリスクのどちらにより重きをおくかと参加者に問いかけました。さらに、「最後のフロンティア」として世界が注目するアフリカは、日本にとって将来の成長の糧になる潜在性があるにも関わらず、安心して進出できるまで待っているようでは手遅れになってしまう、と警鐘を鳴らしました。

そのうえで、さまざまな不安を乗り越え、アフリカに進出する企業が増えていることを説明し、他に先駆けて進出した企業の経験から言えることとして、思い切って早いうちに現地に飛び込み、学び・経験を得ることの意義、トップが自ら決断し、思いを持って取り組むことの重要性、そして、現地パートナーや日本の政府機関や国際機関との連携が有効であることなど、を紹介しました。

最後に、横井氏は、アフリカにおけるリスクを、1)世界が一緒になって解決を目指す必要があるもの(貧困・栄養・衛生など)、2)アフリカ各国の改善努力が必要なもの(法制度、ガバナンス)、3)日本の官民のプレイヤーが知恵を出せば克服できるもの(知識不足、人材確保、進出に必要な資金)に分け、それぞれについて改善に向けた動きが見られるようになっていると説明し、こうした機運を背景に、まずは自ら積極的に情報収集に取り組み、公的機関のサポートを活用することが有効と強調しました。

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次に、実際のアフリカ進出事例として㈱サタケ国際事業本部・海外営業推進室の藤本俊幸室長が、アフリカを目指す理由とアフリカ市場の可能性について講演しました。精米機などの食品加工機器を世界150カ国で販売している同社では、アフリカにおける米の生産量増加と加工環境の整備の必要性について触れ、アフリカにおいてもアジアのような大型工場建設の可能性が出てきていること、精米の品質をより追求するようになり市場が洗練してきていることを説明しました。同社は、近い将来アジアのような市場が形成されることを見据え、JICAの中小企業・SDGsビジネス支援事業を活用してタンザニアにおいて精米機案件化調査に取り組んでいると紹介しました。また、社内でもアフリカ進出への不安や迷いがあったが、今年4月にルワンダ・キガリで開催されたアフリカビジネス会議に経営幹部と参加し、街の綺麗さや安心さに驚きアフリカに対する印象が変わったと話しました。

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こうした発表を受け、このような日本企業のアフリカ進出を後押しし、日本とアフリカの双方の社会経済発展を目指すため、UNDP、JETRO、JICAが連携して提供する支援について発表しました。

UNDP近藤千華・TICAD連携専門官より、UNDPはアフリカ53拠点の事務所があり、現地で政府関係者のみならず商工会等にも強力なネットワークがあり、様々な分野での専門的知見も集積していると述べ、アフリカ進出のサポートに活用してほしいと話しました。また、UNDPはアフリカの社会・経済発展を支援するうえで日本の企業による技術移転や人材育成などに期待していることを伝えました。さらにTICADはアフリカ進出のきっかけになりうると説明し、TICADVIにてバイオマス炭化装置技術を展示し多くのアフリカの国より引き合いを得て、現在JICA中小企業・SDGsビジネス支援事業を活用してケニアでパイロット事業を行う石川県・金沢の明和工業を紹介しました。さらに、事業が軌道に乗り拡大を目指すフェーズにおいては、ビジネス行動要請(BCtA)という長期的視点で商業目的と開発目的を同時に達成できるビジネスモデルへの認証制度が活用できると述べました。

JETRO企画部海外地域戦略班アフリカ担当の堀田萌乃氏は、JETROの支援制度を効果的に活用しアフリカビジネスを進めている2社について説明しました。農地の保水性を高める超節水技術を持つ鳥取再資源化研究所は、JETROの提供する貿易投資相談、海外展示会への出展などを有効活用されています。廃プラスチックの加工を行うCFPは、縮小するアジア市場への危機感から新たな市場開拓が急務となりJETROの南アフリカ商談視察ミッションに参加したことがアフリカ進出のきっかけになったと説明しました。

さらに、JICAアフリカ部計画・TICAD 推進課企画役の上野 修平氏は、アフリカの開発のために日本企業を支援することでアフリカと日本のwin-winの関係を作りたい、とJICAの思いに触れ、JICAが提供するビジネス支援事業や人材育成・確保について説明しました。特に、日本政府が進めるアフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ(ABEイニシアティブ)生を日本企業においてインターン生として短期間受け入れることにより、企業が現地課題を詳しく知ることができ、同インターン生が出身国に戻って現地のビジネスパートナーとなることでアフリカ進出を実現した事例について説明しました。

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最後に、アフリカ進出を検討する中小企業が活用できる資金スキームとして日本政策金融公庫広島支店・中小企業事業 融資第二課の向井誠課長より説明がありました。国内市場は海外市場を取り込むことで発展することから、リスクをとって海外に進出する企業を支援するための融資ツールとして外貨貸付やスタンドバイ・クレジット制度や、長期的視点に立った事業展開に有効な海外展開・事業再編資金について紹介しました。

日本の企業にとって成長の機会となるアフリカ市場についてきっかけや思いから経験に基づくヒント、さらには進出を検討する際の支援・融資制度などアフリカ進出に係る網羅的な情報を提供するイベントとなりました。同様のビジネスセミナーを名古屋市、大分市、岡山市、仙台市にて順次開催することを予定しており、今後もUNDPは、JICAやJETROと連携してアフリカの発展に貢献する日本企業を応援していきます。

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