開催報告: アフリカ出身留学生の魅力 – アフリカビジネスセミナー in ナゴヤ

主催:外務省、日本貿易振興機構(JETRO)、国際協力機構(JICA)、国連開発計画(UNDP)| 協力:国際連合工業開発機関(UNIDO)

2020年2月17日

Photo: JICA

2019年8月に横浜で開催された第7回アフリカ開発会議 (Seventh Tokyo International Conference on African Development: TICAD7)では、200億ドルを超える民間投資の拡大に向け、アフリカのビジネス環境改善や日本企業の進出とイノベーションを促進し、アフリカで生じつつある経済構造転換を後押しする方針が打ち出されました。

同会議のフォローアップの一環として、アフリカへの日本企業の進出促進のため様々な取組みが各関連組織によって計画・実施される中、UNDPではTICAD7で新たに締結したJICA・JETROとの連携枠組みを通じて、広く日本企業向けにアフリカのビジネス機会、アフリカ出身留学生の魅力を紹介し、留学生と日本企業とのネットワーキングの機会を創出することを目的としたセミナーを開催しました。

セミナーの主眼となった座談会では、アフリカ出身留学生をインターンや採用実績のある日本企業と、日本企業での就業経験のあるアフリカ出身留学生が互いの実体験を紹介しました。

日本企業からは、アフリカ出身留学生が自社事業にいかに貢献してきたかについて具体例を交えて説明しました。アフリカでビジネス展開をするうえで必要となる現地の知見やネットワークに乏しい日本企業にとって、アフリカ出身留学生がインターンもしくは従業員としてチームに加わることで、知見やネットワークを補えるだけでなく、現地に通用するビジネス・アイディアや安心感を生み出してくれること、更には社内の多様性が高まることで社全体の活性化にも繋がる点が強調されました。アフリカ出身留学生を雇用するうえで、技術・能力だけでなく経営理念や思いの共有ができる人材を確保することが重要という指摘もありました。

アフリカ出身留学生からは、これまでの日本企業におけるインターン・就業経験を踏まえて、日本企業で貢献するためには、日本特有のビジネスの進め方や文化を習うことが大事であることが重要であることが述べられ、言葉の壁を越えた相互理解の姿勢や歩み寄りが重要であることが指摘されました。

セミナーに出席した長谷川榮一内閣総理大臣補佐官は,世界の有為な若い人材が地域の企業で就職することが重要であり,多くの優秀なアフリカ人留学生とのマッチングが進むことを期待する旨述べられ、座談会のモデレーターを務めた法政大学大学院の米倉誠一郎教授からは「4人に1人がアフリカ人になる時代。ぜひアフリカからの留学生を受け入れてビジネスチャンスをつかんでほしい。」と企業への激励メッセージを発信しました。

JICAなごや地球広場にて開催した同セミナーには、中京圏の企業及びアフリカ出身留学生、メディア各社を中心に150名以上が参加し、セミナー後の名刺交換会では参加者間の積極的な交流が行われました。参加者からは、「海外への日本企業の進出の可能性が理解できた」「アフリカにおけるビジネスについて色々と知ることができた」「外国人人材の活用方法を知ることができた」等の意見があり、97.9%の方が同セミナーについて「役立った」と回答され、好評を得ました。

今後もUNDPは、JICAやJETRO等と連携してアフリカの発展に貢献する日本企業を応援していきます。

読売新聞社によるセミナー紹介記事はこちら