日本政府とUNDP、中央アフリカ共和国の選挙実施支援に向け、無償資金協力に関する書簡の交換を実施

2020年6月30日

バンギ、2020年6月17日 - 日本政府は、中央アフリカ共和国の2020年~2022年に実施予定の大統領選挙及び国民議会議員選挙を支援するため、UNDPを通じて2億4800万円の無償資金の拠出を行うことを決定し、UNDPとの書簡に署名しました。この資金は同国の選挙オペレーションを支援し、国家選挙管理局 (National Election Authority) への器材供与等の運営能力強化支援を行うことにより,透明性・信頼性の高い選挙実施を図り,同国の制度構築に寄与することを通じ,同国の平和と安定に向けた努力を支援するものです。

中央アフリカ共和国の大澤勉大使(カメルーンにて兼轄)は、署名式において「国の発展の前提である平和と安定のためには、民主主義が不可欠です。そのためにも、今回の選挙が、民主主義と平和と安定を支える重要なターニングポイントになることは間違いありません。」と支援の意義について語りました。

UNDP中央アフリカ共和国常駐代表のナタリー・ブークリィは、日本政府の取り組みを称えるとともに、「本書簡の締結は、共和国政府をはじめ、より安定し平和な国となることを願う中央アフリカの人々のために、日本が常に関心を寄せていることの証しです」と強調しました。

2019年、中央アフリカ共和国のファウスティン=アーチェンジ・トゥアデラ大統領が参加した第7回アフリカ開発会議(TICAD7)において、日本は「アフリカにおける平和と安定のための新たなアプローチ」である「NAPSA」を発表しました。この「NAPSA」構想により、日本はアフリカの紛争解決や司法・行政・立法制度などの制度・ガバナンスの強化に向けた取り組みを支援します。中央アフリカ共和国は、NAPSAの取り組みが具体化された最初の国の一つです。

日本政府のこの新プロジェクトは、中央アフリカ共和国において、他のパートナーやUNDPの自己資金で行う選挙プロセス支援とともに、UNDPが実施することになります。中央アフリカ共和国政府は総選挙・国会議員選挙の実施に向けて国連の支援を正式に要請し、現在UNDPの管理のもと「中央アフリカ共和国選挙プロセス支援プロジェクト(PAPEC)」が実施されています。PAPECは、2019年9月5日、経済・計画大臣、国家選挙管理局総裁、UNDP常駐代表によって合意署名されました。今回の日本政府の資金援助により、このプロジェクトは補強され、選挙プロセスの改善に向けより一層の支援が可能となりました。


*中央アフリカ共和国では、2013年に武装勢力のアンチ・バラカの一派とセレカ一派の間で衝突が発生して内戦と化し、数千人の人々が死亡し、国民の約半数が現在も人道支援を受けています。2019年2月6日に政府と武装グループの間で和平協定における最終合意が調印され、和平協定締結後、同国の民主主義の強化及び国民和平と国内の安定化に向けた努力が継続的に行われており,国際社会による支援が求められています。また、2020年12月からは大統領選挙及び国民議会議員選挙の実施が予定されており、準備が進められています。