登壇者と共に活発な議論が行われた第1回AFRI CONVERSE 2020

 

国連開発計画(UNDP)は2019年8 月に開催された第7回アフリカ開発会議(TICAD7)に向けて月例の対話型イベント“AFRI CONVERSE”を実施してきました。TICAD 7の議論を踏まえ、2022年開催予定のTICAD 8に向けて、引き続き議論の醸成を図るべく、「AFRI CONVERSE」シリーズを再開し、JICAと共催していきます。

第1回は、TICAD7の主要アジェンダのうち「経済の構造転換とビジネス・投資促進」に着目し、アフリカのスタートアップへの投資や支援を先駆的に進めるスピーカーを招待し、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響を鑑みての現況と今後の展望、日本企業との連携について協議しました。初のオンライン開催となった同セッションには日本・アフリカの様々なセクターから約270名が参加しました。

冒頭、JICAアフリカ部長の加藤隆一氏より、AFRI CONVERSEシリーズ開催を通じて、アフリカ開発に対する理解を促し、多分野からの参加者と恒常的に協議していくことでTICAD7の協議を紡ぎ、TICAD8に向けたモメンタムを構築していきたいと強い期待が寄せられました。また新型コロナウイルスの感染拡大を受け、JICAでは人間の安全保障の概念の下、様々なパートナーと共に多様なイニシアチブを実施していくこと、アフリカの開発と新型コロナウイルスへの対策・復興には革新的なアイディアが必要であると、当セッションでの協議に関する期待を述べました。

続いて、JICA経済開発部民間セクターグループの児玉顕彦氏は、冒頭でエチオピアの起業家が3Dプリンターで製作したドローンの写真を提示し、アフリカのスタートアップが有する高い可能性を示しました。開発援助機関であるJICAがスタートアップ支援に注力する理由として、雇用機会の創出、社会課題の解決、その国・地域における急進的なイノベーションに期待するためと述べました。具体的な支援事業として、NINJA(Next Innovation with Japan)を立ち上げ、スタートアップに対してビジネス・インキュベーション、アクセラレーション、マッチングといったワンストップ・サービスを提供し、エコシステムを強化していくと述べました。更には、日本の援助機関として、日本企業の投資や技術と結び付けることで日本特有の付加価値を提供していきたく、企業や他関係者との協働を進めたいと呼びかけがありました。また、新型コロナウイルス支援の一環として、NINJAイニシアチブの下、アフリカ19か国にて新型コロナウイルスに対するビジネスプラン・コンペを実施する予定と説明しました。

デロイトトーマツコンサルティング合同会社中東・アフリカビジネス開発リーダーのジェームス・クリア氏は、新型コロナウイルス感染拡大を受けて事業拡大の傾向にあるスタートアップの事業領域として、デジタル・ペイメント(大手通信会社に加えて多様なアクターが参入している)、デジタル・プラットフォーム(コミュニケーション、Eコマース、ヘルスケア、教育など)、ロジスティック・モビリティ(シェア・ライドやラストマイル・デリバリーなど)を挙げました。そのうえで、こうしたスタートアップの事業拡大の大前提として、インターネットへのアクセスの拡充が求められると強調しました。現状、アフリカの大都市では4Gネットワークへのアクセスがあり通信は安定しているが、郊外に出るとネットワークが弱く、そういったところに投資が必要であると説明しました。また、新型コロナウイルス感染拡大前は大都市にあるスタートアップ・ハブが新規事業創出の拠点であったものの、感染拡大によって在宅勤務が主流化する中でそうした拠点が必ずしも必要なくなったため、地方でもスタートアップの台頭が考えられるのではないかと期待を述べました。

続いてAAIC(Asia Africa Investment and Consulting)ダイレクターの半田滋氏は、同社のアフリカ・ヘルスケアファンドがポートフォリオを拡大している点を説明し、日本がアフリカのスタートアップ・エコシステムに大きなインパクトを与えていること、中国企業も参入し始めるなどエコシステムが多様化し急速に発展していると述べました。同社のファンドは、主に医療ケア、医療技術、医療サービス、公衆衛生を対象としており、新型コロナウイルス感染拡大を受け、投資先企業の1つであるFlare(Uber型救急車の配車事業)はロックダウンによる門限後の移動ができなくなる際にも、合計で370人の妊婦を病院・クリニックに搬送し、妊産婦の100%生存・無事出産を確保するなど、多大な貢献をしたと説明しました。他方、アフリカのスタートアップ向け投資市場は新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受け、2020年の第2四半期では投資件数・額が大きく落ち込み、それらの企業にとって資金調達が非常に困難な状況である点、投資側にとっては、新規投資は様子見傾向であり、セクター・事業の選別が進む傾向にあること、また投資リスク緩和のためのパートナーシップが重要である点、既存投資については投資先間のシナジー効果創出などに注力していると述べました。今回の危機を契機に成長しているスタートアップとして、Fintech、Healthtechなど海外送金業(35倍の成長)やオンライン・セラピー業(3.5倍)を例に挙げると共に、大幅に売上・患者数が落ちている健診事業を運営する投資先に対しては、感染拡大前の早い段階でのコンサルテーションを実施し、キャッシュフローに焦点を当て、現金燃料を徹底的に抑え、事業計画を見直し、従業員との対話を通じて収支バランスを立て直し、事業がより強靭になったと述べました。

最後に、UNDPケニア事務所アクセレレーターラボのキャロライン・キアリエは、同国がアフリカで最も高い携帯電話普及率があること(90%以上)、モバイル・マネーの浸透、域内では相対的に高いインターネット・アクセス率、政府が率先してスタートアップ支援を行っている点に触れ、国内外のVCやハブの台頭によってダイナミックなエコシステムが出来上がっていると説明しました。同事務所では政府支援のインキュベーション・ハブであるKonza Techno Policeと協働で新型コロナウイルス対策に資するビジネス・コンペを実施し、食糧、医療、職業の3分野でファイナリストを選定したと述べました。地方を含む国内から300件の応募があり、3Dプリンターで生産される医療機材、テレ・ヘルス、非接触型の監視システム、穀物診断システム、遠隔ビジネスマネジメント・システム等が有望なビジネスモデルとして選定されたと述べました。今後ケニアで拡大が見込める事業として、オンライン・プラットフォーム、クラウド・ソーシング、バーチャル人事システム、顧客データ・行動分析といった例を挙げました。最後に、同国のスタートアップが更に拡大するためには資金、メンターシップ、ネットワーク、法務といった支援が必要であると強調しました。

質疑応答セッションでは参加者からも多くの質問が寄せられました。

JICAが様々なスタートアップ支援を展開する上で困難な点に関して、児玉氏は、シード・アーリー・ステージのスタートアップの多くが資金や技術支援へのアクセスが欠如しており、グロース・ステージに行く前にドロップアウトしてしまうことを述べ、その点に着目して支援を展開しエコシステムの強化を図っていくと述べました。

また、UNDPのスタートアップ支援に関して、キアリエは、メンターシップの提供、その他国連機関や政府機関等とのネットワーキング支援、私企業とのコラボレーション、政府への提言を担っていると説明しました。

今後のアフリカ・スタートアップ投資の見通しに関して、半田氏は、二極化が進む可能性があり、成長が芳しくない事業に対しては政府やドナーの支援が必要であること、デジタル分野の変革が起こる中、消費者個人に焦点を置く事業(病院に行くのではなく、病院が個人のところに来る)がトレンドとなっていくだろうと述べました。

日本企業とアフリカのスタートアップのパートナーシップの構築に関して、クリア氏は、どういった見地で関与するのか(成長を支援するのか、事業パートナーとして捉えるのか)、日本企業側がアフリカの社会の一員となり社会・人々に対してどのように貢献できるのかというビジョンを明確にする必要があると説明しました。

UNDPでは今後も2か月に1回の頻度でAFRI CONVERSEをJICAと共催し、日本とアフリカの幅広い参加者を動員しながら、TICAD8に向けてのモメンタムを醸成していきます。

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