ADP VOICES

世界、また様々な国で新規医療技術のアクセスと提供に関するパートナーシップ(ADP)に取り組んでいる日本人職員による役割や経験などを紹介するショートビデオシリーズ

2020年5月27日

顧みられない熱帯病(NTDs)のジェンダー的側面とは

吉村麻美は国連開発計画(UNDP)のHIV・健康開発グループでプログラム・スペシャリストを務めています。 動画では、いかにしてジェンダーが、様々な顧みられない熱帯病(NTDs)に対する人々の脆弱性に影響を与えているかを解説しています。また、性別やジェンダーが貧困、教育、生計などの健康の社会的決定要因とどのように交錯するかを理解することで、NTDsとの闘いで誰もが取り残されないようにするために重要である理由についても概説します。

ADPでの取り組みの中で、ジェンダーがNTDsのリスクや、疫学、有病率にどのような影響を与えるかについての現在の証拠を収集する上で重要な役割を果たしてきました。また、この課題に取り組むための多分野にわたる協力的なアプローチの一環として、行動のための一連の具体的な推奨事項の開発などにも貢献してきました。

「NTDプログラムがすべてのジェンダーの人々のニーズにあったものとなる必要があります。健康とは私たちにとって基本的人権の一つです。」
− 吉村麻美


ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ達成に向けたガーナの取組

本ショートビデオでは、国連ボランティア(UNV)として活躍する令官洋子より、国連ボランティアとしての役割、ガーナにおけるADPの活動を支援する上での自身の取り組みなどについて説明します。ガーナの首都アクラにてUNDPチームのADP技術担当官として、同国におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジの普及促進と、顧みられない熱帯病の地域的な撲滅を目的としたプログラムの支援を行っています。

「ただ違う場所に生まれたからというだけでしっかりとした医療制度の恩恵を受けられない人々が何百万人と存在するのは不公平です。」
―令官洋子

重要な優先事項は、ガーナの最貧層の一部の人々が主に罹患している風土病トレポネーマ症の根絶です。簡単で安価かつ効果的な治療法があるにもかかわらず、多くのコミュニティで根強い問題となっています。ADPのコアパートナーである熱帯病医学特別研究訓練プログラム(TDR)を通して、コミュニティに根ざしたアジスロマイシンの集団治療を行っています。

また、デジタル技術を利用して国内で使用される食品、医薬品等医療技術の安全性を向上させる革新的なイニシアチブにも取り組んでいます。


「誰一人取り残さない」ための保健システム強化

UNDPのバンコク地域ハブの政策スペシャリストとして勤務する宇治和幸は、約20年にわたりマラリア、結核、顧みられない熱帯病など、開発途上国が直面する保健問題に焦点を当ててきました。

「貧困に苦しむ病気のための新薬が開発されても、法整備やサプライチェーン、安全性監視システムのギャップにより、多くの開発途上国では効果的に導入・提供できていません。」
ー 宇治和幸

ADPでの活動を通じて、これらの課題に対応するための保健システムの強化を目的としたプログラムの支援を行い、最終的には各国でより公平で持続可能かつ普遍的な保健医療の提供を推進するため取り組んでいます。