3月25日(木)・26日(金)、日本にある国連諸機関が結集し、国内外で SDGs に精力的に取り組む各界のリーダーたちとともに、SDGs 達成 に向けたアクションを応援する祭典、「SDG グローバル・フェスティバル・オブ・アクション from JAPAN」をオンライン開催しました。

 

SDG グローバル・フェスティバ ル・オブ・アクションのオンラインイベント会場

 

本イベントは、国連事務総長の命を受け、国連開発計画(UNDP)が 国連諸機関及び世界各国のために運営する「国連SDGアクションキャンペーン」及びジャパンSDGs アクション推進協議会が共催しました。同キャンペーンは、2017年より、世界の SDGsリーダーを集めて「SDG グローバル・フェスティバル・オブ・アクション」をドイツで開催してきましたが、2021年は初めてオンラインで開催し、また初めてのローカル版として、日本からの企画を全世界に発信しました。

今回のテーマは「世界を変えよう 人と地球のために」。コロナ禍や気候危機、不平等の拡大が世界を脅かし、人と地球が転換期を迎える中、持続可能な開発目標(SDGs)という未来への羅針盤を活用し、 これまでの暮らし方を見直し、より良い復興に向けて世界を変えようと訴えました。

 

「世界に目を向け、自分らしく」
国連機関の親善大使やお笑い芸人によるトーク・パフォーマンス

25 日のオープニングでは、国連開発計画(UNDP)親善大使を務める女優の紺野美沙子さんがオープニングを飾りました。20 年以上、紛争や災害、貧困の現場とそこにある希望を見てきた紺野さんは、「未来の私たちへのメッセージ」と題し、SDGs達成に向けた環境保全活動などに取り組む日本の高校生・大学生からのメッセージを紹介。国籍や年齢、ジェンダーなど多様な参加者に向け、「みんな違う、けれど思いは一つ」「フェスティバルを通して共に学び合い、行動を起こしましょう」と呼びかけました。


26 日のオープニングでは国連難民高等弁務官事務所(UNHCR) 親善大使を務めミュージシャン・俳優として活動するMIYAVIさんによるトークが紹介されました。アンジェリーナ・ジョリーUNHCR特使が監督を務めた 『Unbroken(邦題:不屈の男アンブロークン)』をきっかけに難民問題に取り組むようになった MIYAVI さんは、これまでレバノン、バングラデシュ、ケニアなどでの出会い、経験を紹介しながら、「音楽は人を変えられる、そして人は世界を変えることができる」「どれだけできるかは関係ない、大切なのはより良い世界と未来を作ろうという同じ意識をもつこと」などと熱くメッセージを発信しました。


また、先日、「R-1 グランプリ」で優勝したお笑い芸人のゆりやんレトリィバァさんも「ステレオタイプを乗り越えよう!自分を信じて」と題するパフォーマンスを披露。このフェスティバルへの芸人の参加はゆりやんさんが初です。「女芸人として世間から叩かれることも多かったけれど、『面白くない』」『嫌い』とかそんな言葉も自分を奮い立たせる力として 自分を信 じる強い気持ちと夢を絶対にあきらめない気持ちでやってきた」とユニークなネタを英語で発表。「これがわたし!」と女性のエンパワメントを表現しました。


金融、地域の取り組み、ごみ問題など、国内の課題にフォーカスした豪華なセッション
本フェスティバルでは、気候変動、貧困と格差、ジェンダー、持続可能な金融などをテーマに、12の駐日国連機関がセッションを企画。日本やアジア、中東、アフリカなど20カ国以上から、国連、企業、起業家、NGO、若者団体、自治体など各界の代表61名が登壇(全てのセッションに 10代・20代の若者が登壇)し、国、所属、世代を超えて、SDGs 実現に向けた具体的なアイディアや成功例、これからの活動に込めた想いなどを語りました。

「飢餓のない世界」では、昨年、ノーベル平和賞を受賞した国連世界食糧計画(WFP)の日本人職員などがスーダン、ルワンダ、モンゴルから登壇。増加傾向にある飢餓の現状と、学校給食提供など、命を救い暮らしを改善する取り組みの紹介を行いました。
「若者を担い手に 何十億もの平和へのアクションを」では、南スーダン、イラク、日本、アメリカの若手リーダーがAI・ICT・アート・音楽などを用いながら平和を築く革新的なプロジェクトを紹介。中満泉国連事務次長・軍縮担当上級代表とともに、平和へのアクションを推進する若者の役割の重要性について語りました。

「SDGs を身近に:ローカルな活動で変革を!」では黒岩祐治神奈川県知事らが登壇し、神奈川、福 岡、フィリピン、ジンバブエ発の取り組みを発信。高齢化や貧困、フードロスなどの諸問題に対し、地方自治体やコミュニティ、地域住民が主体の活動を呼びかけました。
「本気で取り組むSDG12 ごみから未来を考える」では、ごみ問題に対してできるアクションや、廃棄物の資源化について議論しました。お笑い芸人・プロデューサーの古坂大魔王さんは、タイのごみ集積所を訪れた時の経験を語り、「自分たちの身近な問題としてごみ問題を発信していきたい」と訴えました。

「気候変動への行動を促す金融のかたち」では、国際通貨基金(IMF)の専門家がコロナ後の経済展望を紹介後、コモンズ投信会長の渋澤健さんらが、持続可能な社会を作り、コロナ禍から復興するための社会・経済・環境とバランスの取れた金融システムのあり方について話し合いました。
「進めよう!変革志向の平等とエンパワメント」では、ジェンダー問題を議論。ジェンダー平等は基本的人権であり、SDGsの様々な目標の達成の原動力にもなるものの、コロナ禍でその進歩に遅れが出ていると警鐘を鳴らし、児童婚撤廃や女性のリーダーシップ推進等に必要なアクションを議論しました。

「世界に変革をもたらすデジタル技術とイノベーション」では、コロナ禍で加速するデジタル化に焦点を当て、アフリカの無電化村への電力・インターネット供給が人々の暮らしを変えた事例などを紹介。「誰も取り残さない」世界の実現に技術をどう活用できるか、その可能性とリスクを議論しました。

20代の若きリーダーが主体となりワークショップも展開
さらに、3つのワークショップには20代を中心とする世界中の若いリーダーや起業家が多く登壇し、参加者とのインタラクティブなやりとりが行われました。

「ボイス・オブ・ユース: SDGアクションの今とこれから」では世界の13名の若きリーダーたちが、SDGs達成に向けたそれぞれの活動や課題を紹介。SDGムーブメントを盛り上げていこうと呼びかけました。
「SDGスタートアップ・ストーリー」ではアジア・アフリカの若手社会起業家4名が、自身のライフ・ストーリーや起業の道のり、失敗の乗り越え方や想いなどを語りました。

「世界共通のゴールを目指して―スポーツのチカラと難民」では、スポーツ活動に取り組む南スーダンの難民や、国際パラリンピック委員会会長のアンドリュー・パーソンズさんなどが登壇し、誰も取り残さない世界の実現に向けた難民支援におけるスポーツの可能性に迫りました。

 

そのほか、人の移動(移住)に関する国際移住機関(IOM)映画祭の受賞作品も2本上映されました。

本イベントには、メディアも大きな役割を果たしました。SDGs達成に向けた参画拡大に協力する報道機関の連合体である「SDGメディアコンパクト」からは、日本テレビ、TBSホールディングス、RKB毎日放送、バズフィードジャパン、ハフポスト日本版の5社が登壇者を出すなどの形で参加しました。

さらに、「グローバル・フェスティバル・オブ・アクション」には、宇都隆史外務副大臣及び蟹江憲史ジャパンSDGsアクション推進協議会会長が登壇しました。宇都外務副大臣は、フェスティバルの開催を含めて、UNDPと神奈川県が具体的な連携を進めていることは先駆的な取組であり、パートナーシップによるSDGsの推進及びSDGsのローカライゼーションの進め方を検討していく観点から、世界のロールモデルになりうると考えられるとのメッセージを発信しました。また、蟹江会長は、「フェスティバルの参加者含めて、我々は、新しいアイデアや成功例から学び、そして、社会を再構築し、革新的で大胆な行動を起こす必要がある」とのメッセージを発信しました。

今回のイベントの軸となったのはイノベーション、インスピレーション、エンタテイメント。日本発のセッションを含め、「グローバル・フェスティバル・オブ・アクション」全体では、世界200以上の国と地域から2万4千人以上が参加してくださいました。

日本からのアイディアを海外に発信すると同時に、海外からも学び、海外とのつながりを作る、非常に有益な機会となりました。SDGsに取り組みたい人にも、すでに取り組んでいる人にも、新たなヒントとエールを送ることができたのではないでしょうか。これをきっかけに、SDGs達成に向け、地球と人のために世界を変える一人一人の行動が、今日ここから、さらに広がっていくことを期待しています。


関連リンク一覧
SDGグローバル・フェスティバル・オブ・アクション from JAPAN
https://globalfestivalofaction.org/japan/
 
SDGグローバル・フェスティバル・オブ・アクション(グローバル版)
https://globalfestivalofaction.org/

国連SDGアクションキャンペーンとは
持続可能な開発目標(SDGs)を世界各国で普及推進することを目的とし、国連事務総長の主導のもと、国連開発計画(UNDP)が運営。「私たち一人一人が行動を計画・実行し、進捗を確認することでのみSDGsを達成できる」との考えに基づき、SDGs達成に向けたアクションを各国で拡大し、加速させることを狙う。フェスティバル・オブ・アクションのほか、国連SDGアクション賞の授与や、国連総会会期中に開催されるサイドイベント「SDGアクションゾーン」の運営など、さまざまなSDGs関連イベントやキャンペーンを展開している。
https://www.sdgactioncampaign.org/
 
ジャパンSDGsアクション推進協議会とは
SDGs アクションを加速させるためのフェスティバルの開催に向けて、官民のあらゆるステークホルダーの参画のもと、日本における SDGs のさらなる認知拡大と、国連が提唱する SDGs 達成に向けた「行動の 10 年」に沿った具体的な行動につながる取組みの推進を目的として、SDGs に関する国内の主要ステークホルダー15 団体が参画し、2020年6 月に設立した。「SDGグローバル・フェスティバル・オブ・アクション from JAPAN」と併せて、日本国内を対象としたローカルイベント「ジャパンSDGsアクションフェスティバル~コロナ禍からの復興と行動~」を3月26日(金)・27日(土)にオンラインで開催した。
https://j-sdgsaction.jp/
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