脆弱な立場に置かれたコミュニティに優先する地域保健医療の提供

2021年12月17日

新型コロナウイルスのプロトコルを遵守する保健医療従事者。Photos: Priscilla Mawuena Adjeidu/UNDP Ghana

チョーカー(アクラ)のオピニオン・リーダーでコミュニティヘルスボランティアを務めるアルフレッド・ニー・アドテイ氏は次のように述べました。

「実は、大半の人々は病院に行くと新型コロナウイルスに感染すると思っています。」

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行は、日常的な保健医療サービスの提供を含む、生活のあらゆる側面に支障をきたしました。ガーナヘルスサービス(GHS)の統計によると、実際、ガーナではCOVID-19により基礎的な保健サービスの外来部門(OPD)来院者数が約11%減少、入院部門と予防接種率にも同様の減少が見られました。また、同期間、非感染症疾患(NCDs)、小児疾患、その他疾患に対する日常的な保健医療サービスにおいても需要の低下を記録しました。

現在の保健医療サービスの提供における不足に対応し、地域保健医療システムのレジリエンス(強靱性)を構築する取り組みの一環として、現在、国連開発計画(UNDP)はGHSと連携し、日本政府の資金提供のもと、持続可能な開発促進のためのプロジェクトを実施しています。本プロジェクトは、地域保健医療システムを強化し、脆弱な立場に置かれた人々に向けた基礎的な保健サービスを、COVID-19の流行期間と収束後も継続して支援することを目的としています。

このプロジェクトに基づき、アクラ・メトロポリタン・アセンブリーとガ・セントラル地区のコミュニティベース保健計画・サービス(CHPS)施設で働くコミュニテヘルスワーカー、コミュニティヘルス管理委員会(CHMC)の委員、およびコミュニティヘルスボランティア(CHV)は、ガーナにおいて脆弱な立場に置かれた人々が基礎的な保健サービスを利用できるようにするための研修を受けています。

小山裕基駐ガーナ日本臨時大使は次のように述べました。「地域に根差した保健医療は、プライマリー・ヘルスケア・サービスへのアクセスを向上させる上で非常に重要です。保健医療サービスのより良い復興と、将来起こりうる人々の健康への脅威への対応能力強化を目指すこのイニシアティブを、あらゆるステークホルダーやコミュニティとともに支援し、取り組むことを喜ばしく思います。」

保健医療従事者は非常事態において保健医療サービスの最前線に立っているため、アクラにあるタボラヘルスセンターの登録助産師であるグレイス・ボアチェ氏にとって、この研修は非常に時宜を得たものでした。

「この研修では、特にCOVID-19下において救急患者を分類する方法を学びました。今ではボランティアと協力してより効率的に地域の人々に保健サービスを提供できるようになりました。UNDP、GHSと日本に対し、コミュニティヘルスワーカーを重視してくださったことに感謝しています」と彼女は述べました。

研修は、すべての人々が良好な健康状態を確保するために、コミュニティヘルスボランティアとコミュニティヘルスワーカーが協力し効率的に働くための筋道を示したという点において、とりわけ有意義なものとなりました。

UNDPのアンジェラ・ルシギ常駐代表は次のように述べ、保健医療従事者に称賛の意を表しました。「コミュニティヘルスオフィサーたちの役割はかつてないほど重要になっています。あなた方の、家庭訪問を含む保健サービスの提供が、最も脆弱な立場に置かれた貧しいコミュニティや家庭がヘルスケアにアクセスするのを可能にしているのです。」

持続可能な開発目標(SDGs)の達成期限まであと数年に迫る中、私たちは皆、「ユニバーサル・ヘルスをすべての人に」を実現するために果たすべき役割を持っています。すなわち、健康状態を改善するために必要な情報とサービスにコミュニティと個人が確実にアクセスできるようはからうことです。

アルフレッド・ニー・アドテイ(オピニオン・リーダー/コミュニティヘルスボランティア)

グレイス・ボアチェ(タボラヘルスセンターの助産師)

小山裕基駐ガーナ日本臨時大使

アンジェラ・ルシギ(UNDPガーナ事務所常駐代表)

研修を受けるコミュニティヘルスボランティア

研修参加者