ルワンダ政府とUNDP、COVID-19の拡大防止と院内感染対策に消毒ロボットを導入

2021年3月10日

これらの新型ロボットは最先端の紫外線(UV-C)ロボットであり、処置センター、病院、多くの人が集まる場所での清掃、消毒を支援します。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが引き続きアフリカや世界全体に打撃を与えている中、ルワンダ政府は、ウイルス対策の取り組みを強化すべく、ICT・イノベーション省および保健省を通じて、国連開発計画(UNDP)ルワンダ事務所と日本政府とのパートナーシップを受けて、最先端ロボット3台を追加で導入しました。

ニャルゲンゲ地域病院に導入された新型ロボットは、最先端の紫外線(UV-C)ロボットで、COVID-19の拡大を抑制するため、処置センターや病院、市場、オフィスなど多くの人が集まる場所での清掃、消毒を支援します。

新たに導入されたUV-Cロボットは、人手による清掃プロセスでは見逃してしまうおそれのある、致死性の微生物を死滅させる紫外線を発光するUV-Cランプなどの独自の機能を備え、患者や医療従事者の感染率低下を支援します。

また、その他の能力としては、病室、手術室、分娩室、集中治療室、退院用隔離室などの室内空間を、迅速に清掃、消毒することができます。ロボット1台で1室を平均32分で消毒できます。また、COVID-19を引き起こすウイルスであるSARS-CoV-2以外のウイルスも殺菌できます。

ポーラ・インガビレICT・イノベーション大臣は、「COVID-19対策に最先端技術を活用するわが国の取り組みや希望を継続的に支援してくださっているUNDPと日本政府に感謝いたします。これらのロボットは、手作業による清掃に代わり、より速く、より効率的に、労働集約性の低い形で消毒を行ってくれます」と語ります。 また、「ルワンダ政府はICTを変革の中心に据えており、保健セクターはテクノロジーを使用する優先順位が高いセクターです。これは、サービスの提供、患者の体験、保健と安全性の向上を通じて、保健分野により良い成果をもたらすためです」と言い添えました。

ルワンダ・バイオメディカルセンター(RBC)長のサビン・ンサンジマナ博士は、「COVID-19の症例管理にロボットを導入することで、医療従事者と患者間で生じる人と人との接触を減らすことができます」と言います。

ンサンジマナ博士は、「感染予防対策(IPC)活動にロボットを導入して、ロボットが除染処置を行うことで、IPCに従事する職員の感染リスクを最小限に抑えることができます」と続けました。

UNDPルワンダ事務所のマクスウェル・ゴメラ常駐代表は、「昨年は暗い年になりましたが、これまでにロボット科学のような希望の兆しも出てきています。UNDPルワンダ事務所では、ICT・イノベーション省と再び提携し、COVID-19ウイルスの拡大防止のために処置センターや公共の場の消毒に使用されるUV-C消毒ロボット3台を導入でき、大変嬉しく思います。ワクチンに加えて、これらのロボットは、最前線の労働者を守り、感染症の拡大を防止する現代科学のさらなる偉大な勝利なのです」と語ります。

「COVID-19のパンデミックに立ち向かうため、力強く行動するルワンダ政府に対し、改めて祝意を表します」とゴメラ常駐代表は言い添えました。

患者との接触を最小限にし、医療従事者の感染リスクを減らすために、最初の5台の感染症対策用スマート・ロボットが導入されてから8カ月。今回の展開は、COVID-19のパンデミックの拡大防止への新たな技術の利用においてルワンダが達成した、新たな画期的な出来事となりました。

ンガボ(写真中央)は、2020年5月に5台導入された感染症対策用スマート・ロボットの一つです。

キニャルワンダ語で、アカズバ、イキレジ、ムウィザ、ンガボ、ウルムリとそれぞれ命名されたロボットは、現在、指定の処置センターやキガリ国際空港などのスクリーニング・サイトで医師や看護師を支援しています。同空港では、アカズバとウルムリが導入されており、1分間で50~150人を検査し、異常があれば当直の職員に通報します。

これらのロボットは、UNDPルワンダ事務所アクセラレーター・ラボ(AccLab)とICT・イノベーション省とのパートナーシップにより調達されたものです。

オーストラリアのローウィー研究所によるCOVID対応に関するパフォーマンス指数によると、ルワンダは、COVID-19の流行への対応が最も優れている国のうち、第6位でした。しかし、ここ数週間の新たな感染拡大の中でも、同国は引き続き、ウイルス拡大を探知して抑制する新たな革新的アプローチの戦略化や探究を行っています。公共の場の消毒におけるロボットの使用は、ICT・イノベーション省を通じた、ルワンダ政府とUNDPルワンダ事務所AccLabによる新たなデジタル実験の成果です。

これらのUV-Cロボットは、処置センターやその他の指定施設において、十分に包括的な感染対策と予防ソリューションを提供する形で、医療スタッフや清掃スタッフの業務を補完することを目的としています。