中央アフリカ共和国における新型コロナウイルスの影響を受けたコミュニティの強靭な回復と社会経済復興支援

強靱な回復力構築のための日本とのパートナーシップ

2021年12月23日

PK5地区のクドゥク小学校の排水路完成を記念して

中央アフリカ共和国(CAR)の首都バンギ、特に、活気溢れた大市場がある「PK5」と呼ばれる地区は、同国において最も甚大な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けました。バンギ第3区に所在するPK5地区は、同国経済に活力をもたらしており、かつてはイスラム教徒の国内避難民(IDP)にとって安全な避難場所であった一方、同地区は部族や民族集団で分断されており、衝突が起きやすい地区でもありました。

2021年、日本とのパートナーシップを通じて、国連開発計画(UNDP)中央アフリカ共和国事務所は、PK5地区のコミュニティを支援するため、「COVID-19の影響を受けたコミュニティの強靭な回復力および社会経済的な復興の支援」プロジェクトを実施しました。本プロジェクトでは、コミュニティのインフラを再建し、社会的結束と収入向上を図る研修を実施。また、本プロジェクトを通して、中央アフリカ5Sカイゼン指導員を派遣し、5Sカイゼン研修を実施する予定です。5Sカイゼンとは、企業経営の継続的改善のための日本式手法です。中央アフリカ5Sカイゼン指導員の研修は、過去には日本政府の資金提供により、UNDP中央アフリカ共和国事務所のプロジェクトとして国際協力機構(JICA)の専門家が実施していたものです。また、本プロジェクトでは、同地区から選ばれた住民にクドゥク小学校の排水路整備の仕事を提供しました。排水路のおかげで、児童たちは雨期も学校に出席することができるようになりました。この工事に参加した受益者の一人は次のように語っています。


バンギPK5地区の受益者の声

ガイ・ンバノゴと申します。日本政府が資金を提供し、NGOのAPSUDが実施している新型コロナウイルスからの復興プロジェクトの受益者です。ココロII地区に住んでいます。私たちはクドゥク小学校において、中庭を清掃し、排水路の整備事業に参加しています。中庭の浸水により、児童たちは学校に通学できずにいました。このプロジェクトは、パンデミックによる資金難、物資難から脱する手助けとなりました。研修の第2段階では、ビジネス、飼育、裁縫などを学びました。また、こうした活動を通じて、軍事・政治的危機によって分断されていたイスラム教徒の同胞たちと和解することができ、バンギ市第3区における社会的結束が強化されました。この地区のイスラム教徒の友人たちと連絡先を共有しなければなりませんでした。私は家を借りていますが、この活動のおかげで、わずかながら収入を得て家賃を払い、小さな家族を養うことができています。