コンゴ民主共和国・南キブにおける自然災害の防止と対策 - UNDPと日本が協力

2021年12月6日

ジジ平野にあるルブンギで水路を建設

国連開発計画 (UNDP)は2021年4月、日本の認定NPO法人テラ・ルネッサンスとの協力のもと、「洪水とコミュニティ間紛争の被害を受けたコミュニティに対する強靱な回復力および安定性の強化を通じた早期回復の支援」プロジェクトを開始しました。このイニシアティブは、日本によるおよそ280万米ドルの資金供与を受け、危機の影響を受けたコミュニティ、弱者層、女性、若者の生計回復と社会的安定を促進し強化することを目的としています。

コンゴ民主共和国(DRC)東部に位置する南キブ州においては、2020年4月にルジジ川およびタンガニーカ湖沿岸で記録された大規模洪水後の対応と復興を支援しています。ルジジ平野における豪雨は、3つの河川の氾濫と、タンガニーカ湖の大幅な水位上昇を引き起こしました。すでに貧困、土地紛争および脆弱な地方統治によってコミュニティ間が緊迫していた同地方において、洪水によって人命が失われるとともに物的損害も生じました。

ワルング地区のルブンギにおける水路は、このプロジェクトの最初の活動として、住民、コミュニティリーダー、地方自治体および州政府による参加型調査および意見交換を経て建設されました。水路が建設されると排水が改善され、洪水を防止するとともに農業灌漑用に給水できます。女性と若者を含めた脆弱な状況にある住民が労働集約的な仕事に従事し、収入の増加にもつながります。

UNDPのプロジェクトでは、テラ・ルネッサンスおよび日本とのパートナーシップの一環として、本活動以外にも、コミュニティの経済的な復興と自然災害によるリスクの防止策を強化する活動を計画しています。コミュニティのインフラ修復、災害リスクの認知向上、早期警報システムの導入、地方自治体の権限強化といった活動を実施し、南キブの対象コミュニティにおいて直接的には2,200人、間接的には4万4,000人に裨益する見込みです。

砂利の運搬や建設材の準備を終え、一息つく女性たち

このプロジェクトではまた、今後数カ月のうちに、中央カサイ州におけるコミュニティ間紛争の影響を受けた人々を支援する予定です。

国連による共同調査によって、ルジジ平野の洪水は合計で4万7,507人(8,890世帯)に影響を及ぼしたことが明らかになりました。農業世帯の半数(1万9,960世帯)は、食物および野菜の栽培用途のおよそ9,980ヘクタールが荒廃したことによる影響を受け、食糧不足に陥るリスクが予想されています。この地域は豪雨や洪水に見舞われることが多く、異常気象の影響を受けるリスクが増加しているとも見られています。

UNDPは2021年9月、コンゴ民主共和国(DRC)におけるコミュニティの回復力強化と生計向上の経験が豊富な日本のNGOであるテラ・ルネッサンスと、パートナーシップを構築しました。テラ・ルネッサンスのプロジェクト代表が現地を訪れ、住民と協力して事業を進めたり、地方自治体やコミュニティリーダーとの意見交換、調整を行いました。