アジア太平洋地域の若手起業家が社会問題を解決すべく大集結

Youth Co: Lab Virtual Summit(ユース・コーラボ・オンライン地域サミット)を6月2日〜4日に開催

2021年6月18日

持続可能な開発目標(SDGs)の達成には、公的機関による資金援助のみではなく民間ビジネスや市民ボランティアなど、多様な主体とアプローチ方法による社会全体の取り組みが不可欠です。 UNDPがシティファウンデーションと共同で実施しているYouth Co:Lab は、次世代を担う若者が世界規模課題に関心を持ち解決に取り組むことが重要であるという考えから、SDGs達成に向け社会や自身のコミュニティの課題に取り組む社会起業家や、課題解決アイディアを持った若者を支援するプログラムとして2017年に発足しました。アジア太平洋地域の若者を対象とするこのプログラムの一環として、地域の重要課題や起業のノウハウ・起業アイディアについて議論を行うサミットがオンラインで6月2日から4日にかけて開催されました。

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イベントには、若い社会起業家、起業支援家のインキュベーターやアクセレレーター、投資家、政府関係者などが参加し、社会問題の解決策をビジネスモデルに転換する方法について議論を行いました。今回第3回目となる地域サミットでは、「誰ひとり取り残さない」、「女性起業家の支援」そして「気候変動からのグリーンリカバリー」の三つのテーマを掲げ開催されました。3日間にわたり行われた一連のイベントには、世界25ヵ国から80人以上のスピーカーが登壇、120の国と地域から合計4700人が参加し、さらにリアルタイムで配信されたサミットのオンライン視聴者は200万人を超える、大盛況となりました。

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サミット1日目は、国連機関やCitiファウンデーション、政府機関やYouth Co:Labの代表者が登壇し、プログラムの背景や意図、アジア太平洋地域の優先課題をハイライトしてサミットが開幕しました。過去のイニシアチブの経験談や将来のプログラムにおける課題、今後の地域的な拡大の構想についてプレゼンテーションが行われました。これらの講演と並行して、 Youth Co:Lab による若手起業家への伴走支援である「スプリングボード・プログラム」の修了式も行われました。

サミット1日目

2日目は2つの優先テーマについての議論が深められました。「多様性と包括的な成長のためのスタートアップについての若者の提言」セッションでは、性的少数者コミュニティや地域の少数民族、障害を抱えた若者が社会に参画する際の課題や成功事例について意見交換をしました。次の「気候変動ビジネス」セッションでは、気候変動起業家とエコシステム専門家による対談を行いました。また、協賛団体のCVCキャピタルパートナーズ高崎 大輔氏のスピーチに続いて、アジア太平洋地域の若手起業家によるSDGs解決のビジネスモデルについてプレゼンテーションが行われました。日本からは 2019年度ソーシャル・イノベーション・チャレンジを受賞した「MyMizu」が者が参加し、プラスチック削減に貢献する給水アプリについてのプレゼンテーションを行いました。

サミット2日目

最終日は、「女性起業家のパワーの解放」というテーマで『東南アジアの起業とリーダーシップにおける男女格差』に関するレポートが紹介された後、若い女性が起業のエコシステムに参画する方法や課題について議論を行いました。最後に、UNDP、シティ、バングラデシュの女性起業家からの総括があり、三日間に及んだサミットは閉幕しました。

なお、全てのセッションの様子はこちらのリンクから視聴できます。

現在Youth Co: Lab Japanではソーシャル・イノベーション・チャレンジ2021の募集を開始しています。詳細はこちらからご確認ください。コンテストで入賞すると来年の地域サミットへの参加やCitiファウンデーションから起業家メンタリングなどを受けることができます。皆様のご応募をお待ちしております。

Youth Co:Lab (ユース・コーラボ)とは?
Youth Co:Labは、2017年にUNDPとシティ・ファウンデーションが、若者のエンパワーメントとSDGs達成を目的に共同で開始した社会起業家支援活動です。SDGs実現を加速させるためのリーダーシップ、ソーシャルイノベーションやアントレプレナーシップ(起業家精神)を支援しています。 Youth Co:Labは開始以来、アジア太平洋地域の25の国や地域で展開され、これまでに7,500名以上の若手社会起業家を支援し、1,000以上の社会的事業の立ち上げやアクセラレーション(加速)支援を行ってきました。
 
スプリングボード・プログラムとは?
スプリングボード・プログラムは、アジア太平洋地域の25の国や地域それぞれで行われる国内大会の受賞者たちが参加することができる独自のオンライン・アクセラレーター・プログラムです。プログラムでは、経営やマーケティングなどの研修を受けたり、英語のプレゼンテーションのサポートを受けることができます。
 
ソーシャル・イノベーション・チャレンジとは?
ソーシャル・イノベーション・チャレンジ日本大会2021は、SDGs達成に焦点を当てたビジネスモデルやアイディアを競うコンテストです。選考を通過した個人またはチームは、「ソーシャル・イノベーション・チャレンジ日本大会2021」のファイナルピッチコンテストにて、ビジネスプランやアイディアをピッチします。日本大会の受賞者は、2022年1月から行われるスプリングボード・プログラムに招待され、さらに上位のチームは、2022年春に開催予定のYouth Co:Labアジア太平洋サミットにて、それぞれの事業を紹介する機会を得られます。