2022年第一回AFRI CONVERSEの対話イベントに参加したパネリストらは、高い失業率と限定的な経済的機会が、アフリカの若者の潜在能力の発揮を阻害していると警鐘を鳴らしました。

国連開発計画(UNDP)と国際協力機構(JICA)が共催したこの対話イベントの登壇者は、アフリカは15歳から35歳までの人口が約4億2,000万人と多くの若年層を抱えているにもかかわらず、その就業者数は依然として問題となるほど低いことに対し懸念を表明しました。UNDPの報告によると、若者の就業率は、サハラ以南のアフリカ地域では45.8%であるのに対し、北アフリカ地域では22.6%と過去最低水準に落ち込んでいます。

カリダ・ブザールUNDP総裁補アラブ地域局長は、若者の多くが正規の教育、雇用、職業訓練を受けていないことも強調しました。さらに若い女性たちは雇用に際して男性よりも厳しい問題や壁を経験しています。

これに加えて、雇用された人たちの大多数は非公式な経済活動部門(インフォーマル・セクター)で働いており、低賃金や不規則な賃金、社会的セーフティネットにアクセスできないために、必死で生計を維持しています。

「つまり彼らは社会保険給付や健康保険、信用供与を受けられないか、または制限されているのです。このため今回の新型コロナウイルス感染症によるパンデミックのような衝撃的な出来事や混乱に対して非常に脆弱な状態にあります。」とブザール氏は述べました。さらに同氏は、今回のパンデミックによってアフリカ大陸全土で2,000万の雇用が危険にさらされ、若者と女性の失業率が上昇したとも述べました。

アフリカが若者の人口ボーナスを効果的に活用するために、アフリカ連合とその加盟国が熱望する解決策の一つは、若者が「雇用創造者」になることです。起業家精神と雇用の創出は、若者が豊かで安全な生活を送るための鍵を握っているのです。

「しかし次世代のアフリカの人々に対する機会創出の実現は、政策立案者、政府、民間企業、市民社会、開発パートナーがいかに効果的かつ創造的に協力し、次世代のアフリカ人のための機会を創出するかにかかっている」とブザール氏は強調しました。

 

 

独立行政法人国際協力機構(JICA)中東・欧州部次長大野裕枝氏は、成長志向の企業を設立するために若者の潜在能力を引き出し、発揮することがアフリカ大陸の繫栄に極めて重要であることに同意しました。同氏は、若者の雇用と起業家精神を促す可能性を阻む課題は広範にわたっており、様々な国からの多角的な取り組みが必要であると話しました。

「アフリカの国々やそのパートナー、さらに官民部門間の知識・経験の共有と当事者意識(オーナーシップ)が鍵になると思います。」JICAのアフリカ・カイゼン(KAIZEN)・イニシアティブは、自らの役割を果たす人たちがいかに知識を共有し、生産性の向上、雇用者/被雇用者間の対話促進、起業家精神の奨励に役立てているかを示す好事例です。

JICAとそのパートナーは、若者が自らのキャリアを決定し、切り開くための教育、技能研修、学習の継続を、アフリカ大陸における経済的機会の問題に取り組む際の主要な柱としています。JICAのプログラムは、すべての人に対する基礎教育や遠隔教育技術・職業教育や訓練を通じ雇用の機会を高めること、ジョブ・マッチング、キャリア教育、インターンシップ・プログラム、起業家のためのビジネス・スキルの提供など多岐にわたります。また、JICAのABEイニシアティブ(アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ)は、アフリカの若者に日本での修士号取得と、日本企業等でのインターンシップの機会を提供するプログラムです。

「付加価値を付与した経済的機会を開拓することもJICAの柱の一つで、ビジネス環境の改善、金融アクセス、起業支援、社会的弱者の参加を推進しています」と大野氏は述べました。

プロジェクトNINJA(Next Innovation with Japan)は、2020年1月に始動したスタートアップ支援イニシアティブで、JICAによる若者の雇用、起業、イノベーション、新規事業創出の促進を実証する取り組みです。

ガーナのTranSoniCa社の創設者兼CEOであるダニエル・エリオット・クワントウィ氏は、ABEイニシアティブとNINJAの恩恵を受けた一人です。同氏はJICAのプログラムの下で大学院に進学し、東京大学大学院で修士号を取得しました。同氏は、日本で初めてSUICAカードを使って交通機関を利用した際、この構想をアフリカに持ち帰るアイデアを思いついたと回想しました。これが同氏のビジネスの始まりを決定づけるものとなりました。

「アフリカでは、交通機関での移動やショッピングの時に現金決済に時間がかかることが多く、そのために長い待ち時間や長蛇の列ができてしまいます。近年では、新型コロナウイルス感染症のまん延防止のため非接触型支払サービスに対するニーズが高まっています。また店側も、窃盗や複雑な売上管理の煩雑さなど現金に絡む問題に直面しています」と同氏は説明しました。

さらにクワントウィ氏は、JICAを通じて得た投資家の支援や交流により、他のアフリカ諸国にも事業を拡大することができていると述べています。現在同社には正社員とインターンがおり、ビジネスや機会の創出者として考えるよう「教育」されています。さらに、TranSoniCa社では、トップアップ・エージェントや学生アンバサダーなどの非伝統的な職も創設されています。同氏は「このビジネスの成功は、政府と協力しながら若者に適切な経済機会を創出する上で、いかに民間部門が重要な役割を果たすことができるかを実証している」と話しました。

チュニジアのブルー・フィッシュ社の創設者レイラ・ベン・ガセム氏は、若者を雇用した自らの経験に基づく素晴らしい話を共有しました。チュニジアを含むアフリカでは、若者の失業や起業の機会の欠如が懸念されていると同氏は述べました。

「代替教育や職業教育の必要性はこれまでにないほど緊急性を帯びています。チュニジアの職業訓練施設には順番待ちリストがあると思われます」と同氏は述べました。

ベン・ガセム氏は2006年に社会的企業ブルー・フィッシュ社を創業し、チュニジアの職人、特に女性の職人が自らの作品を輸出しビジネスを展開するための支援を行っています。同社のチームの半数以上が高校中退者で構成されており、同氏は教育を雇用へつなげる専門技術や、容易に起業するための政策や規制の必要性を強調しました。

「チュニジア政府があらゆる分野のスタートアップ企業と連携すれば、電子政府の導入を加速してサービスを改善したり省庁間の対話を可能にしたり、政府にとって計り知れない機会があると思います。また循環型経済のソリューションや若者主導によるアップサイクルイノベーションを通じて、気候変動を改善する機会も豊富にあります」とベン・ガセム氏は話しました。

若者の可能性を引き出すための投資は、アフリカにおける開発の最優先事項であり、地域の経済発展や平和と安定に寄与します。日本政府は、若者が適正な仕事に就き収入を得て、よりしっかりとした基盤をもって成人期を迎えるためのUNDPの訓練プログラムの長年のパートナーです。

AFRI CONVERSEは隔月で開催され、アフリカと日本の幅広いステークホルダーを招いて第8回アフリカ開発会議(TICAD 8)に向けた契機作りをし、開発に関する喫緊の課題を取り上げていきます。TICAD 8は今年8月に開催予定です。

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