マルチステークホルダー・パートナーシップおよび協調

ナミビアの農水・土地改革省（MAWLR）は、国連開発計画（UNDP）ナミビア事務所、そのパートナーであるナミビア環境投資基金（EIF）とNEC XONシステムズ・ナミビアと共に、2021年11月30日にナミビア初のデジタル農業補助金（電子バウチャー）システムを導入しました。

電子バウチャーによる補助金システムについて

電子バウチャーによる補助金システムは、インターネット環境をほぼ必要としないシステムを通じて運用される電子決済方法です。この革新的な電子バウチャーシステムは、4つの州（エロンゴ州、東カバンゴ州、ホマス州、ハーダップ州）の小規模農家に補助金を交付するために導入されています。このデジタルソリューションが重点を置いているのは、若者や女性、障がいを抱える人など脆弱な立場に置かれた人々に力を与え、彼らの食料・農業ソリューションを拡大することです。

これまで、MAWLRは紙ベースのバウチャーで全国の農家に緊急支援の生活補助金を分配してきました。このシステムには、意思決定に必要なリアルタイムデータの入手、受益者情報、トレーサビリティ（追跡可能性）など、いくつかの課題がありました。電子バウチャーシステムを導入することで、説明責任の向上と補助金管理の効率化に向けて組織の能力を強化するためのデータとエビデンス（証拠）が得られます。また、デジタル補助金・助成金発行システムは、収集したデータを通じて、意図した受益者に補助金が公平に分配されていることを実証するモニタリング・ツールとしても機能します。これは、特に介入の影響に関する国家レベルでの意思決定の強化にもつながります。

最近立ち上げられた電子バウチャーシステムの有効性と使いやすさを検証するため、現在は「よりよい復興」（BBB：ビルド・バック・ベター）都市農業プロジェクトを通して試験実行が行われています。BBB都市農業プロジェクトは、ナミビアの都市部や都市部周辺地域の食料安全保障と栄養不良の改善に重点を置くことにより、COVID-19のパンデミック（世界的大流行）が同国に及ぼす現在の社会経済的な影響に対応するものです。BBB都市農業プロジェクトは日本政府の出資を受けており、MAWLRとUNDPナミビア事務所が、エロンゴ州、東カバンゴ州、ホマス州、ハーダップ州の各州議会との密接な協力の下で共同実施しています。

電子バウチャーによる補助金システムのプロセスの流れ

電子バウチャーによる補助金システムと支払いプロセスの流れは、プロジェクトのすべての利害関係者とパートナーで構成されるプロジェクト運営委員会によって合意がなされています。実施パートナーであるUNDPは、EIFを通じて補助金を支給し、その後EIFは電子バウチャーシステム経由で補助金を支払います。プロジェクトの受益者には、電子バウチャーシステム用のカードが発行されます。受益者はそれを使い、全4州で実行パートナーに認定されたえり抜きの農業関連販売店で必要な農業資材を調達することができます。また、これらの店舗の代表者は、円滑なプロセスの実施を確実にするため、電子バウチャーシステムの運営に関する訓練を受けています。

この電子バウチャーによる補助金支払いシステムの実行によって、都市部や都市部周辺のインフォーマル事業者や小規模生産者、農家へのアクセスが拡大し、包摂的な経済発展が促進されます。この革新的な電子バウチャーによる農業・食料補助金ソリューションは、緊急事態や疾病に関連する危機からの持続的な回復を可能にする機会を解放する可能性を秘めているのです。

受益者の選定プロセス

この電子バウチャーによる補助金制度の受益者は、MAWLRと、実施に密接にかかわる各州の地方議会が設けた厳格なプロセスを通して選定されます。4州はそれぞれ農業バリューチェーンにとって重要な優先事項を強調しており、ひいてはこの農業・食料補助金の対象範囲が貧困層や脆弱な立場に置かれた人々に集中的かつ正確に向けられることを確実にしています。

受益者は、対象として意図されている女性と若者、および障がいを抱える人が確実に含まれるよう、慎重に選定されます。補助金の申し込み提出の呼びかけはすでに始まっており、応募資格や基準、条件が詳しく説明されています。応募資格には、参加自治体および町議会（ウィントフック、スワコプムント、マルタヘーエ、ルンドゥ）の境界内に居住するナミビア国民であることが含まれます。

本リリースに関するお問い合わせは、BBB都市農業プロジェクトの広報担当までご連絡ください。
ネカ・フェミ・カヨデ（Nneka Femi-Kayode）
電話：+264 811 241 698 | メールアドレス：nneka@blueberrynamibia.com