UNDP駐日代表事務所は2月4日(金)、オンラインキャリアセミナー「JPO経験者による座談会・UNDPでのキャリア構築」を開催しました。外務省国際機関人事センター課長補佐の松島悠史氏と、ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー(JPO)派遣制度*でUNDPに入職した4名の若手職員、本部人事部の岡本カミンスキ健、西・中央アフリカ地域事務所の松浦知紀、アフガニスタン事務所の長谷川晶子、そして本部アフリカ部TICADユニット 浜野沙羅の4名が登壇し、JPOを通じたキャリア形成やUNDPでの仕事内容などについて紹介しました。

初めにUNDP駐日代表の近藤哲生から開会の挨拶の後、外務省国際機関人事センターの松島氏によりJPO派遣制度の紹介があり、公募との違いや制度の実績などに加え、受験資格、選考プロセスや必要書類など具体的な応募に関する説明が行われました。その後UNDPの4名の若手職員がそれぞれのJPOへの応募までの経緯やキャリアについて、そしてUNDPでの業務について紹介しました。

松浦知紀 プログラム分析官は民間企業からフランスの大学院での修士、JICAでの勤務を経てJPO制度を通しブータンへの赴任した経験や、ブータン事務所での1日のスケジュールなどを紹介しました。またUNで働くにあたり、より具体的なプランを持ち、自己マーケティングをしっかりすることや、情報収集を欠かさないことの重要性を述べました。

長谷川晶子  務専門官は学生時代のインターンやボランティアの経験から国際協力に興味を持ったこと、コンサルティング企業で財務戦略などに携わった経験からファイナンス分野を専門に持つに至った経緯などを説明しました。特に自身の応募の経験から応募やポストの選択にあたり自身の実績やスキルと、ポストの業務内容との整合性が大切であると述べました。

浜野沙羅 プログラム分析官はNGOや在外公館でのインターンや、開発経済学修士の取得、民間企業で職務経験から開発に興味を持ったことを説明しました。また、ボランティアなどを通し国連を知る努力をしつつ、自分にあった専門を見つけ、足りない部分を身につけていくことの重要性を話しました。

岡本カミンスキ健 人事専門官は、民間企業を経てJPO制度に応募した経緯と、現在の人事に関するシステム作りの業務について紹介しました。また、開発にどう関わるかを見極めること、そして応募の際に自身の経験やスキルと希望ポストの合致性を意識することなどのアドバイスをしました。

最後に、現在募集中のUNDPの6つのポストの簡単な紹介を行い、質疑応答セッションにおいては大学院進学や専攻、ジョブ型雇用、専門性の形成や実績の重ねかたについてなど、多くの方から質問が寄せられ、登壇者4名がそれぞれの経験を踏まえて答えました。でも、UNDPの業務の多様さを踏まえ、まずは自分のやりたいことを見極め、その目標に向けて専攻分野や職務経験を選択すること、そうして築いた独自のキャリアこそが自分の専門になることを共通して述べていました。


 

以下、時間の制約上その場でお答えすることができなかったご質問に対する登壇者からのコメントを掲載いたします。

1) 国際機関を目指した時期は民間・他の機関就職前か。民間やガバナンス分野での経歴をどのように書類でアピールしたか。

(松浦)国連を目指し始めたのは13歳の時ですが、実際に大学院進学や関連経験の取得等、具体的なステップについて考え始めたのは民間就職後です。JPO受験時には、民間企業で多くのステークホルダーと折衝しながらコンセンサスに導く交渉力をアピールしました。

2) JPO採用時に「強み」と感じた部分は何か、自分の何が評価されたと思うか。

(松浦)語学(英語・仏語)と、短いながらも応募しているJPOポスト(ガバナンス)と関連性がある分野での経験(タンザニア地方行政)が一定評価されたと思います。

(浜野)UNVやコンサルを通じて国連機関での実績を具体的にアピールできたことです。UNDPのポストに直接応募することで、応募書類を関連するポストの内容(relevancy)と通じるように記載できたことも挙げられます。

(岡本)専門分野がはっきりしていたことです。ロンドン等の本社機能或いは地域統括センターが置かれている場所で勤務した経験が本部での仕事に直結すると評価されたと思います。

3) JPO応募時に「ブータン」「アフリカ」等の地域専門性は問われたか。

(松浦)書類提出時から地域専門性をアピールできれば強いことは間違いないと思いますが、私のように特に応募先ポストの国や地域に関して専門的知見が無い場合でも、十分に下調べをしてから書類、面接でアピールできれば良いと思います。

(浜野)特にありません。地域は自分の場合関連があまりありませんでしたが、もしすでにその地域での職歴や研究実績がある場合はアピールになるかと思います。

4) 今まで培ってきた専門分野を生かす場所としてUNDPを選んだ理由。

(松浦)私は、自身のJICAでの業務と最も関連性があると考えたため、UNDPを選びました。難民支援や子どもの保護等、特定の国連機関のマンデートときれいにマッチしている業務経験をお持ちであれば別かもしれませんが、UNDPでは「SDGインテグレーター」として開発に関する全ての分野に携われる点が魅力的だと思います。

(浜野)経済開発(poverty reduction)を一つの軸としている、様々な開発に関するポートフォリオを扱っている、human development reportの発行等社会経済開発のknowledge productsの発行をリードし、この分野での影響力が強いことです。

(岡本)国事務所の数が多く、取り扱う専門分野の数も多い機関なので組織再編などの人事の専門性が磨ける為。

5) 2か国以上で勤務:働き方、同僚との接し方の違い、苦労話を聞きたい。

(松浦)言わずもがなですが、現地の文化・歴史・風習をいち早く理解した上で業務にあたることが重要です。ただ個人的には、国際公務員として働いている以上、自分を変えて現地に「溶け込む」というより、自分個人の(必ずしも日本人としてではなく)スキルと経験を活かして現地に貢献することを意識しています。

(浜野)国事務所で働く場合は国によってはインターナショナルスタッフが少ないため、ナショナルスタッフの中で働くことになります。現地のコミュニケーションスタイルや仕事の進め方を理解する必要もあります。例えば、言葉選びを気を付けたり、信頼関係を築くための努力などです。上司により、マネジメントスタイルが大きく異なり、引き継ぎなどもほとんどありません。プロジェクト関連ではUNDPは様々ステークホルダーと協議をするのはとても良い反面、時間がかかり、アクティビティが予定通りに進まないことがほとんどです。

(岡本)締め切りの概念が国によってかなり違うので、締め切り前から主体的にフォローアップしないと期日までに資料が集まらないことが多かったです。

6) 様々なステークホルダーとの調整業務に忙殺され、本来進めたい業務に注力できない時の現場の苦労話。

(松浦)UNDPのように大きい組織であれば一定の調整業務は避けられませんが、それが物事を進めるのに必要であれば、「進めたい業務」の一部と考えています。一方で、常にBusiness as usualを批判的に考え、変革に移すだけの行動力があると、大きな組織でも目立つと思います。そういった経験があれば、書類や面接でアピールしてはどうでしょうか。

7) 英語能力の高め方、第二言語(仏語、西語等)は業務に役に立つか。第二言語の戦略的選び方があれば。

(松浦)現在第二外国語である仏語で仕事をしています。語学力の高め方としては、可能であればやはり現地に留学すること、難しければかなりの頻度でオンラインツールなどを活用してスピーキングとリスニングを練習することが近道だと思います。これから第二言語を選ぶのであれば、ご自身の関心ある地域で選んではどうでしょうか。ただ、JPO試験で第2外国語が評価されるには一定以上のレベルが求められるため、相当の自己投資が必要です。時間が無い場合は、英語を集中的に磨くことも戦略的かもしれません。

(浜野)英語能力に関してはNew York TimesやBBCなどクオリティの高いメディアの記事に触れ、世界情勢の記事を読む。(気候変動等の最新の会議での協定等、専門分野の用語は最低カバーする事)。個人的にはスペイン語を習っていましたが、仏語の必要性を強く実感。
第二言語:働きたい地域があればその言語を強化するのが良いと思います。

(岡本)第二外国語は自分が好きな言語であることが最も重要です。継続的な努力で第二外国語を高いレベルまでもっていける職員は少ないです。

8) 本部とフィールドでそれぞれの強みと相違点。

(松浦)フィールドでは、基本的に現地政府がクライアントとなりますが、今いる地域事務所では、基本的にUNDP内部がカウンターパートとなります。

(浜野) 本部:UNDP組織の方針にかかわる業務やマネジメント層に関するコーディネーション業務が多くなる。UNDP組織全体としてどのようにドナーとかかわるかや、意思決定のプロセスを理解でき、ネットワークの機会が多いです。

フィールド:UNDPのミッションであるフィールドの活動に直接かかわれる。プロジェクトベースでの業務が多くなります(バックオフィスの場合も同様)。オフィスによって異なりますが、個人の裁量を発揮しやすいです(新しいパートナーシップ構築、プロジェクト形成、提案等は受け入れやすい)。

(岡本)一般的に本部のポストの場合は調整能力、専門性がより求めらるのに対してフィールドの場合は、その地域での専門性(例えば西アフリカ地域での経験)や同じようなサイズ・バックグラウンドの事務所(地域が違ったり、国連機関でなくても良い)で働いた経験が重宝されます。

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