UNDP、 日本とのパートナーシップで東ティモール選挙実施体制のCOVID-19対策強化

2022年4月18日

2022年3月19日、東ティモールの大統領選挙が行われました。国連開発計画(UNDP)は日本政府とともに“COVID-Resilient Elections in Timor-Leste(東ティモールにおけるコロナ禍の選挙実施体制強化計画、通称:CORE-TL)”プロジェクトを発足し、2022-23年に行われる大統領・議会選挙における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策の強化に取り組んでいます。

新型コロナウイルス感染症は、人間の安全保障の危機です。UNDPのフィールド調査「Socio-Economic Impact Assessment of COVID-19(コロナ禍による社会経済的影響評価)」によると、 東ティモールにおいてはコロナ禍によりすでに存在していた格差や脆弱性がさらに深刻となり、社会的弱者はより著しいダメージを受けていると考えられています。そこで、UNDP東ティモール事務所は日本政府からの拠出金400万米ドルをもとに、コロナ禍における初めての選挙支援、感染症対策についてのスタッフの研修、コロナ関連情報のデジタル化、有権者へのアドボカシー活動に取り組んできました。さらに、東ティモール政府や選挙管理員会と連携し、投票所における配布用マスク405,800枚、アルコール除菌スプレー6,000本、個人用防護具(PPE)660セット等の調達と提供を行いました。



UNDPは、持続可能な開発目標(SDGs)の「誰一人取り残さない」というスローガンをもとに、インクルーシブな選挙に向けた若者・女性・障がい者の参加推進に取り組んでいます。特に東ティモールでは、若者が全体人口の半数以上を占め、17歳から投票権が与えられるため、初めて選挙に行く若者の参加推進と知識向上が課題となっています。大統領選挙前に行われた選挙啓発イベントには210人の学生とソーシャルメディアのインフルエンサーが参加し、早稲田大学とのオンライン講義では大学生101人が独立戦争後のデモクラシーと選挙についての討論を行ないました。UN Womenと共同で行った女性の政治参加の推進活動、さらに地方で開催した障がい者向けのワークショップなどを通して、コロナ禍の打撃を受けやすい社会的弱者の声がより反映される選挙の実現を目指しています。

選挙に参加することは、選挙権を持つすべての人の権利です。UNDP東ティモール事務所は日本政府との強力なパートナーシップのもと、コロナ禍対策を強化し、国民が国の政策に参加する権利を守り、SDGs達成に向けて「誰一人取り残さない」社会を支えていきます。