アフリカにおける平和、ガバナンス、開発

TICAD閣僚会合 ハイレベル・サイドイベント

2022年3月15日

アフリカ開発会議(TICAD)は、日本政府が主導し、国連、UNDP、世界銀行、アフリカ連合委員会(AUC)が共催して、1993年から開催されてきました。同会議は、包括的な多国間プラットフォームであり、アフリカ全域で革新的で持続可能かつ公平な開発の道筋を模索するフォーラムとして機能してきました。第8回アフリカ開発会議(TICAD8)は2022年8月27日~28日に予定されており、それに向けた閣僚会議が2022年3月26日~27日に開催される予定です。

TICADプロセスを通じ、平和と安定は主要な議題の1つとなっています。平和と安定は、平和-ガバナンス-開発のネクサスの実現に欠かせない要素であり、政治的・思想的な立場や、傾向とホットスポットといった情報に密接に結びつくものです。アフリカにおいて持続可能な開発目標(SDGs)の達成に困難を抱えている国は、概して紛争中であるか、暴力的な紛争に対して特に脆弱な状態にあります。UNDPの戦略で言及しているように、不安定さは社会的結束を弱め、投資を抑制し、包括的な開発目標の達成の障壁となっています。

UNDPとInstitute of Security Studies (ISS) が主催するこの「アフリカにおける平和、ガバナンス、開発に関するハイレベル・サイドイベント」は閣僚会合の機会をとらえて実施され、アフリカにおける平和の構築、ガバナンスに対する人間中心のアプローチの促進、そして開発の促進について議論します。紛争の予防と解決、暴力的過激主義の防止、民主的ガバナンスの深化は、持続可能な開発目標とアフリカ連合のアジェンダ2063の達成を確実にするために不可欠です。

今回のサイドイベント「アフリカの平和、ガバナンス、開発」では、3つの課題を中心に議論を展開します。

課題1-紛争予防、国家建設、民主的ガバナンス

国家と市民の間の社会的な結束にほころびが生じ、いくつかの国で暴力的な抗議活動が増加しています。多くの国で選挙は依然として争点となっており、選挙後の暴力や分極化、力による権力奪取の増加による民主主義の後退が見受けられます。人権侵害は続いており、法の支配が損なわれています。アフリカの角、サヘルや大湖地域、南部アフリカなど大陸の多くの地域で暴力が続いています。こうした状況は、暴力的過激派の増加や気候変動による影響によってさらに複雑になっています。新型コロナウイルスの社会・経済的影響に加え、こうした傾向は、平和と安定の実現、アフリカ連合のアジェンダ2063やSDGsを含む開発目標の達成の障壁となっています。また、意思決定と平和構築プロセスにおける女性と若者の参画は、国家建設と民主的ガバナンスを強化するために重要に課題の1つとなっています。

課題2-政治的・社会経済的分断を悪化させる水平・垂直的不平等

水平的不平等は、共通のアイデンティティを持つ人々のグループの間で起こり、金融、人間、自然、資源、社会的資産へのアクセスと所有における不平等、また所得水準と雇用水準における不平等を含む概念です。水平的不平等は、経済的、社会的、政治的、文化的な地位に亘って定義されています。とりわけ、水平的不平等に直面しているグループがより一層疎外されていることが強調される政治的不平等は、アフリカの平和と安全に関する議論において関連が高い重要な観点となります。

課題3-外部パートナーの役割

外部パートナーにとっての新たな優先事項やエントリーポイントは何か。平和と安全を「紛争の有無」から「恒久的な状況」の観点でとらえるために、外部パートナーはどのような支援ができるか。水平的不平等などの不平等が拡大する中で、紛争の根本原因に対処するための予防的・継続的措置を強化するためには、外部パートナーによる平和構築支援を地域に根差したものとし、地域の政治・社会力学即した機微な取り組みが必要です。TICADを通じて、平和と安定に関する議論にどのような貢献ができるのか。TICADは、開発関係者のためのマルチ・セクター・プラットフォームとして、平和と安定のための資金調達、パートナーシップ、アドボカシーの触媒となり得るかを議論します。


日時: 2022年3月31日(木)17:00-19:00(日本時間)

共催者: 国連開発計画(UNDP)、Institute of Security Studies Africa

言語: 英語、フランス語、日本語、アラビア語、ポルトガル語(同時通訳)

フォーマット: オンライン (ZOOM)

参加登録 :事前に以下のリンクより登録が必要となります。
https://undp.zoom.us/webinar/register/WN_YcoEi0pLRwujc95DthWsgw


プログラム(仮)

時間(日本)

アジェンダ

登壇者

17:00 - 17:05

イントロダクション

ヘンリー・ボンス(モデレーター)

17:05 - 17:10

開会挨拶

アフナ・エザコンワ
UNDP総裁補兼アフリカ局長

17:10 - 17:15

祝辞

新美潤
外務省日本政府代表、アフリカ開発会議(TICAD)担当特命全権大使

17:15 - 17:30

基調講演

フォンテ・アクム
エグゼクティブ・ディレクター、Institute of Security Studies

17:30 - 18:50

パネル討論

  • ロゼリン・アコンベ UNDP
  • ポールサイモン・ハンディ氏 ISS
  • フレッド・ンゴガ・ガテレツェ氏 アフリカ連合委員会
  • ナガット・スリマン・アフメド・オスマン氏 Search for Common Ground Central and East Africa Program
  • バカリー・サンベ氏 Timbukutu Institute

18:50 - 19:00

閉会

ヘンリー・ボンス(モデレーター)