UNDP、GHIT Fund、日本政府は満たされない医療的ニーズに対する新たな取り組みを開始

満たされない医療的ニーズに対する新規医療技術、アクセスと提供をめぐる取り組みを結集させるための新たなプラットフォームを立ち上げました。

2019年2月13日

MenAfriVac™を摂取するブルキナファソの子供 (photo copyright : WHO)

2019年1月30日バンコク

顧みられない熱帯病 (NTDs)やマラリア、結核のための新たな医薬品開発及び必要とする人々への提供の緊急性を認識し、日本政府、UNDPが牽引するアクセスと提供に関するパートナーシップ(ADP)及びグローバルヘルス技術振興基金 (GHIT Fund)は、「新規医療技術、アクセスと提供のための協働 (Uniting Efforts for Innovation, Access and Delivery)」 を1月30日に立ち上げました。これは低・中所得国において、満たされない医療的ニーズに対する治療薬、ワクチン、診断法やその他の医療技術へのアクセスと提供を改善することを目的としたプラットフォームです。

近年、世界では保健医療分野における課題について大きな改善が見られる一方で、未だ多くの人々が生きるために必要な医療技術にアクセスできていないのが現状です。残念ながらこれまでNTDsのような世界の最も貧しい人々に影響を及ぼす感染症は、新規医療技術の開発に必要な世界の関心や資金を得にくい状況にあります。また、治療法が開発されたとしても、それらは国の全ての人々に十分に行き渡ることは難しく、最も必要としている人々の手には届きにくい現状もあります。

「新規医療技術のイノベーションのみならず、そのアクセスや提供の改善なくしてユニバーサル・ヘルス・カバレッジを達成することはできません。」と、外務省国際協力局国際保健政策室室長の鷲見学氏は述べました。「SDGsやUHC達成のために必要な関係機関間の協働を促す第一歩として、これらの重要な課題に関する主要なステークホルダー間での対話を支援できて光栄に思います」。

新規医療技術のイノベーションとアクセスは同じコインの表裏の関係にあります。しかしながら、研究開発のファンダーや新規医療技術の開発者、アクセスのステークホルダーが、直面する共通課題についてともに議論し解決策を探る機会はあまりありません。

これらの関係者間での対話を通して多くの学びが得られます。例えば、資金提供者は現在及び将来における研究開発への投資、優先事項への成果や効率を向上させることができます。また、新規医療技術の開発者は、効率化を図るために課題や成功事例を共有したり、研究開発の早期においてアクセスについて考慮すべき事項を計画に組み込むことができたりするのです。加えて、アクセスと提供に携わるステークホルダーは、必要とする人々に新たな治療薬を導入するために必要な重要検討事項に、有益な知見を盛り込むことができるのです。

「新規医療技術、アクセスと提供のための協働」は、このような様々な関係者が集結することによる潜在的利益を認識し、低・中所得国における満たされない医療的ニーズに応えるべく新規医療技術のための資金調達、開発、アクセスと提供に関連するパートナーを集め、さらなる議論の場を提供します。

「今まで以上に、グローバルヘルスの研究開発の議論において、アクセスと提供に繋げることが重要になっています。」と、GHIT FundのCEO、 BTスリングスビー氏は強調します。さらに、「当分野における重要な関係者が集結することで、我々は薬剤やその他の医療技術が資金提供を受け、研究開発され、そして必要な人々へ届けられていくという一連の流れを見ることになるでしょう」と述べました。

2013年以来、日本政府、ADP、そしてGHIT Fundは結核、マラリアとNTDsの解決に焦点をおき、新規医療技術の開発、それを必要とする人々への提供のための活動を共に行っています。新規医療技術、アクセスと提供のための協働はパートナーシップを拡大し、より様々なステークホルダーとの協働を行う新しいイニシアチブです。

2019年1月30・31日、本プラットフォームはタイのバンコクで初の対話「新規医療技術、アクセスと提供のための協働:グローバル対話)」を開催します。この会合には、国際的ネットワークから100名以上の研究開発のファンダーや製品開発パートナーシップ、そして満たされない医療的ニーズのための医療技術のアクセスと提供に取り組む機関が一堂に会します。これら関係機関間の対話を通し、経験や共通課題、成功事例の共有、さらに将来の協力可能性の模索のための機会を提供しました。

「2019年1月に開催するグローバル対話は研究開発、アクセスと提供に携わる幅広い関係者が、より活発かつ良い協力を促進すべく踏む出す第一歩です」とUNDP HIV保健開発チーム長のマンディープ・ダリワル氏は述べました。「各国が“誰一人取り残さない” (leave no one behind)の原則を含む、SDGsの具体的な目標に対して行動に移していくためには、重要な関係者間の対話を促進し、進歩を加速させるための革新的なパートナーシップを構築・拡大していくことが非常に重要です」。


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Sangita Khadka, Communications Specialist, UNDP Bureau for Policy and Programme Support
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