日本から32カ国・地域の活動に1億2千万ドル超の支援

2020年4月1日

日本政府からの支援のもと、ナイジェリア北東部アダマワ州で紛争地の帰還民が農業を再開する為の農業資材を配布したときの様子 Photo: UNDP Nigeria

2020年3月、UNDPは日本政府の補正予算から約1億2,334万ドル(約128億8千9百万円)の支援を受けました。この拠出金は、アフリカ、中東、欧州、アジアの32カ国と地域で、緊急性の高い35のプロジェクトに活用されます。いずれの事業も日本政府の開発協力の重点方針に合致するとともに、持続可能な開発目標(SDGs)の達成及び人間の安全保障に資するものです。また、UNDP現地事務所では日本人職員・国連ボランティア約30名(2020年3月現在)が今回のプロジェクトの設計や現場の支援活動に貢献しています。

近藤哲生UNDP駐日代表は、「このような多額の拠出金を頂き、心より感謝申し上げるとともに、SDGsの達成や人間の安全保障の実現に向けた日本政府のたゆまない取り組みに敬意を表します。今回のご支援を活用し、UNDPは引き続き、格差の拡大、気候変動、紛争による強制移住など、複雑かつ重要な開発課題に取り組み、もっとも立場の弱い人々の暮らしの改善を目指していきます」と謝意を述べました。

サハラ砂漠以南のアフリカでは、ナイジェリア・南北スーダン・ケニア・マラウイなどの15カ国で16件のプロジェクトに幅広く活用されます。活動内容は、紛争地における人道・開発・平和の連携を通じた平和構築、地域・コミュニティの社会経済の復旧・安定化及び国際テロ対策の強化のための支援から、PKO訓練センター支援、難民の再定住化のための支援、そして昨年3月にモザンビークやマラウイを直撃したサイクロンによる洪水被害からの復旧・復興支援など多岐に渡ります。

昨年8月、UNDPはアフリカ各国首脳の参加の下、日本政府と第7回アフリカ開発会議(TICAD7)を共催しました。今後、アフリカの開発に向けたUNDPと日本政府の連携も更に加速することが期待されます。

北アフリカ、東欧を含む中東、欧州においては、シリア・イラク・パレスチナ・ヨルダンを含む15の国と地域で17件のプロジェクトに活用され、若者と女性の就労・起業支援、過激化の防止等を通じた地域・社会安定化、強靭性向上支援、難民および難民を受け入れている地域社会に対する生計向上支援などが進められます。さらに、昨年に続きウクライナへの経済復旧支援も実施されます。

アジア・太平洋地域では、ミャンマーとアフガニスタンの2カ国においてプロジェクトが展開されます。ミャンマーではラカイン州及びカチン州における難民や国内避難民のための居住区の復興・開発活動への支援が、アフガニスタンでは治安の安定化に向け、女性警察官の訓練などが行われる予定です。

UNDPにとって日本は世界有数の支援国です。2019年、UNDPは日本から計約2億9900万ドル(約327億3千百万円)の支援を受けました。この拠出額は単独国としてはドイツに次ぐ世界第2位です。