世界の最も脆弱な国々における新型コロナウィルス (COVID-19)のパンデミックに打ち勝つため、2020年3月25日、アントニオ・グテーレス国連事務総長は20億ドル規模の人道支援計画を発表しました。この人道支援計画は、数百万人の人々を新型コロナウイルスの脅威から守り、また世界規模の蔓延を阻止することを目的としています。
国連開発計画(UNDP)は、国連事務総長、国際連合人道問題調整事務所(OCHA)、世界保健機関(WHO)、その他の人道支援機関と共に、この前代未聞の脅威に対応するための、緊急且つ連携による国際的対応を呼びかけます。
このパンデミックは既に世界の185ヵ国以上に広がっており、数百万人もの人々に影響を及ぼしています。このような大規模のグローバルな脅威に立ち向かうために、最も脆弱な国もこの悲惨な人道危機に対処できるよう、世界が連帯する必要があります。
紛争、自然災害、気候変動等の理由で既に人道危機にあった国々は、最も高いリスクを抱えています。
私たちは、特に保健システムが脆弱な国々における医療保健分野の緊急支援を強化するため、力を合わせなくてはなりません。また、この危機以前から人口密度の高い場所で生活をしていた、国内避難民や難民の命を救うための支援も継続する必要があります。最も脆弱な保健システムが世界のどこかに存在している限り、私たちの住む世界は危機に強くなることはできないのです。
新型コロナウイルスパンデミックは、極めて大規模な医療危機であり、同時に人道、開発の危機でもあります。このパンデミックは、壊滅的な社会的、経済的、政治的危機を引き起こす脅威であり、これまで20年間かけて達成した開発の成果を一瞬にして無にしてしまうような、深い傷跡を、私たちの未来に残し得るのです。
開発途上国においては、少なくとも2,200億ドルの収入が失われ、これにより失業、工場の閉鎖、また世界で最も貧しく脆弱な国々の政府にさらなる負担を強いる事態を引き起こします。
UNDPは、WHO及び関連する国連機関と共に、最も緊急な保健システムのニーズに応えるため各国政府を支援します。また世界各国で、この危機からの復興支援を行う準備ができています。
50年以上もの間、UNDPは最も貧しい人々、最も脆弱な人々のために活動を続けてきました。
私たちは、力を合わせてこの危機を乗り越え、復興、再建していきます。
--アヒム・シュタイナーUNDP総裁