UNDP、ベイルートでの爆発事故を受け、レバノンの包摂的な復興を支援

2020年8月19日

ベイルートの爆発事故により、約30万人もの人々が家をなくしました。Photo: UNDP Lebanon/Rana Sweidan

ベイルート、2020年8月14日 – ベイルート港で発生した爆発事故を受け、国連開発計画(UNDP)は当面の支援として、生活と中小企業の復興、がれきの処理、被災した社会的弱者層の司法アクセスを優先した取り組みを実施します。この支援は、他の国連機関が初期対応として進める緊急援助の取り組みを補完するものとなります。

UNDPは復興期間全体を通じ、爆発事故の影響を受けたベイルート市民とレバノン国民全体を対象とする社会経済的な保護措置の実施を支援していきます。

爆発事故の影響は、破壊された港の周辺地域よりもはるかに広い範囲に及んでいます。爆心地の周りでは、約1万もの企業が物理的に破壊、倒産を余儀なくされ、10万人以上が職を失い、深刻な食料不安を抱えています。これに加えて、家を失った人々も30万人を超えるものと見られています。

UNDPは、緊急雇用創出・現金報酬スキームと家庭向け食料の安定確保支援を組み合わせることにより、爆発事故が社会的最弱者層の食料入手に及ぼす当面の影響の軽減を図ります。

アヒム・シュタイナーUNDP総裁は「レバノンの人々がさらなる課題を抱える中で、私たちが連帯を行動に移すべき時が来ています。私たちは、緊急事態に対応しつつ、レバノンによる中長期的な優先課題への取り組みの改革と再建を引き続き支援していきます。私たちが力を合わせれば、レバノンは今回の危機から、さらに強くなって立ち直ることができるのです」と述べています。

爆発事故の影響は、ベイルートよりもはるかに広範囲にも及び、シリア危機の波及効果や経済危機の下振れを含め、レバノンが何年も前から直面し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延によってさらに複雑化してきた多面的な危機を一層、深刻なものにしています。

爆発事故によって、レバノンの貧困層や難民、移民労働者を含む恵まれない人々が、ますます弱い立場に置かれています。UNDPは、被災地での法的扶助の取り組みとして、相談サービスの提供や、社会的弱者層の労働と住宅に関する権利擁護に対する支援も行っていきます。

セリーヌ・モワルドUNDPレバノン常駐代表は「私たちは50年にわたって、レバノンの人々が度重なる危機から復興を遂げるための努力を支援してきました。レバノンがさらに一連の危機を抱える中で、私たちは同国が誰一人取り残さず、かつ、変革と説明責任、透明性の改善を訴える人々の声に耳を傾ける復興と開発につながる包摂的な道を歩むための支援を行う決意を固めています」と語りました。