国連(UNDP)、ゲームを使って気候変動対策に関する 世界最大の世論調査を開始

2020年9月3日

9月3日、東京発 – 本日、意欲的な気候変動対策に向けて人々と政府との意識の隔たりを埋めることを目的とした無料のオンラインゲーム「ミッション1.5」の日本語版が公開されました。このゲームは、著名人や若者の活動家たち、および国連、各国政府、市民社会、企業の関係者などが協働して制作されました。

「ミッション1.5」は、世界中の約2,000万人の人々を対象に、各国政府に採用してほしい気候変動対策の方法について意見を伝える機会を与えると同時に、各国政府が気候変動対策を進めるにあたり市民社会の応援の声を届けていくことを目的としています。国連開発計画(UNDP)が主導するこのキャンペーンは、学校でのストライキや大規模な抗議活動など、世界中で市民の世論が盛り上がりを見せてきた気候変動問題に関して、市民と政府を繋げていくことを目的としています。

このキャンペーンの柱となるのは、UNDPがゲーム開発、気候科学、世論調査の専門家と共同で開発した、無料のオンラインゲームです。ゲームのプレイヤーは気候政策の立案者となり、地球温暖化による気温上昇を摂氏1.5度未満に抑えるための意思決定を行うというものです。ゲーム終了後、プレイヤーは、各国政府に実際に採用してほしいと考える、主な気候変動対策について投票するよう求められます。各国政府は気候行動対策に関する信頼できる世論の情報を入手できないことも多く、その隔たりを埋めるために、ミッション1.5の投票データは、オックスフォード大学で分析された上、UNDPのプロジェクトなどを通して各国政府に届けられます。

「ミッション1.5」のゲームは、こちらのリンクよりアクセスできます。これまでに世界中から135万人がプレイしました。

3日には、新型コロナウイルスからの復興及び気候変動・環境対策に関するオンライン・プラットフォーム閣僚級会合が開催されます。小泉進次郎環境大臣が全体議長を務め、アントニオ・グテーレス国連事務総長及び世界中の環境大臣が参加を予定して います。会合に合わせ、情報プラットフォーム「Platform for Redesign 2020」が立ち上がり、環境問題への関心が高まっています。

UNDPのアヒム・シュタイナー総裁は、次のように述べています。「私たちは、このキャンペーンにより、市民社会、民間企業、また政府にまたがるパートナーたちと協働して、気候危機の解決策について革新的な双方向の議論を行い、パリ協定合意5周年に向けて意欲を高めていくことができるでしょう。」

UNDP駐日代表の近藤哲生は、次のように述べています。「新型コロナウイルスの拡大により世界中の人々が行動を制限され、休校が続き、気候マーチに参加していた若者たちは中断を強いられました。しかし、気候問題は待ったなしです。ぜひ一度ゲームをプレイしてみてください。気温上昇を摂氏1.5度未満に抑えることがどれだけ大変なことか学ぶことができます。このゲームが、老若男女の声を届け、コロナ禍からの復興を政府がより環境にやさしい形で、市民社会とともに実現していく手助けになることを望んでいます。」


ミッション1.5について
ミッション1.5は、UNDPとその連携機関によって開発された無料のオンラインゲーム で、気候変動対策について啓発し、一般の人々と、政府や政策立案者をつなぐことを 目的としています。このキャンペーンは、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べ て摂氏1.5度未満に抑えるために今すぐ行動しなければならないことから、「ミッショ ン1.5」と名付けられました。
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