日本、UNDPのアフガニスタン危機対応に300万米ドルを拠出

2021年11月5日

Photo: UNDP Afghanistan

カブール、11月2日 – 日本政府はアフガニスタン国内に開発の危機が迫っていることを受け、先週、危機対応の一環として、国連開発計画(UNDP)の緊急農業プロジェクトに対し、300万米ドルの拠出金を供与することを発表しました。

アブダッラー・アル・ダルダリUNDPアフガニスタン常駐代表は、「この困難な時期に、アフガニスタンの人々に直接手を差し伸べてくださる日本政府の寛大かつ戦略的な支援に感謝しています。この支援により、UNDPはアフガニスタンの人々の家計支援を行うとともに今、すぐに必要とされる緊急資金を地域経済に注入できるようになります」と語っています。

今回の支援は、日本政府による「アフガニスタン及び周辺国の人道支援のための緊急無償資金協力」の枠内で拠出されました。この支援はバードギース、バルフ、ファラー、ラグマーン、ナンガルハール各州の27地区の弱者層2,750世帯を対象としています。この支援の枠組みで、弱者世帯は種子や農具、養蜂、養鶏など、農業で生計を立てるのに必要な支援を受けることになります。参加コミュニティには、農作物の生産量を増加させ、継続して所得を得るための研修も提供されます。支援対象者の60%以上は女性です。今回の支援は、「コミュニティのレジリエンスと暮らしの復興に向けた緊急援助(Emergency Support for Community Resilience and Livelihoods Recovery)」に対して新たに供与されました。これは、アフガニスタンをはじめ世界各地での日本とUNDPの長年にわたるパートナーシップに根ざすものです。

外務省は、「日本政府は、アフガニスタンの人々に寄り添う支援を行うとともに、地域の安定化に向け引き続き積極的な役割を果たしていく」と今回の緊急人道に関する報道発表で述べています。

UNDPが9月にアフガニスタン経済の調査を発表し、「緊急対策を至急行い、アフガニスタンの経済危機に対処しなければ、国民の97%が来年、貧困線以下での生活を強いられるおそれもある」と予測しました。

アブダッラー・アル・ダルダリ常駐代表は「アフガニスタンの国内経済が全面的に崩壊し、それにより人間の安全保障や基本的な福祉が満たせなくなる事態を防ぐため、他の支援国にも支援を求めたい」と述べました。