日本政府、ガザにおけるがれき除去などに対して300万ドルの資金援助

2021年6月7日

11日間の戦闘の爪痕を目の当たりにし、ガザの大きな商業通りの真ん中に座りこむ少年 ©UNDP / PAPP - Mohammed Zaanoon

2021年6月4日東エルサレム発ー日本政府は、国連開発計画(UNDP)に対し、ガザ地区の被災地における被害調査およびがれき除去のために計300万米ドルを拠出することを発表しました。

今回の日本政府の支援により、UNDPは11日間の戦闘によりガザ地区において発生したがれきのうち4割以上(11万トン)を除去することが可能となります。本事業は、6ヶ月間超で約11,000日の作業日・雇用創出が見込まれています。

日本外務省が発出した報道発表によると、日本は「ガザ地区の緊急支援やその後の復興支援を含め、引き続き積極的な役割を果たしていく考え」であり、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)、国連開発計画(UNDP)、赤十字国際委員会(ICRC)、及び国連人道問題調整事務所(OCHA)を通じた計1,000万ドル(10億8,000万円)の緊急無償資金協力で、「食料、がれき除去、水・衛生、新型コロナ対策を含む医療・保健等の人道・復興支援を実施」するとしています。

がれきを除去することで、人々が基本的サービスへのアクセスを再開することができるようになり、建物の倒壊リスクの軽減、不発弾やその他の戦争残存物の脅威から守られることになります。

当プロジェクトを通し、全壊または甚大な被害を受けて安全でないと判断された住宅、公共施設、商業施設、工業施設等は解体され、主要道路や公共エリアのがれきが除去されます。安全に除去されたがれきは、「非コンクリート破片」として埋立地に運ばれるか、指定された破砕場でリサイクルされ、道路の復旧などに活用されます。

ガザ地区のがれき除去プロジェクトで必要な約610万ドルのうち、280万ドルを支援国として初めて拠出決定した日本政府に対し、UNDPは深い謝意を表しました。

イヴォンヌ・ヘラUNDP総裁特別代表は次の様に述べています。「ガザの支援ニーズは甚大です。ガザは14年間にわたって封鎖され、開発の後戻りが加速し、意義深い未来への希望を奪い去ってきました。それに加えて今回の危機が起きたのです。UNDPはガザの復興に尽力を誓います。がれき除去は、再建と復興のプロセスを進めるには必要不可欠です。」


動画:ガザの被害状況評価を開始


また、今回UNDPは、住宅、医療・教育施設、公共・社会インフラなどの主要インフラの被害状況を包括的に評価するための資金として、日本のエンダウメント基金から20万米ドルの支援を受けました。この支援により、国連とその連携機関は、復興へ向けたニーズ評価を行い、様々な支援策を調整しつつ設計、実施することが可能となります。

戦闘の間、ガザに滞在していたUNDPガザ地域事務所長の野口千歳は語ります。「ガザの人々は何度でも立ち上がる逞しさを持っています。 しかし、彼らの生活は長きにわたり悪化の道をたどっています。新型コロナウイルス感染症の影響から立ち直ろうとしていた矢先に、今回の戦闘が発生し、家族を養うという希望が打ち砕かれてしまったのです。」

2021年5月の衝突では、2000戸以上の家屋が破壊され、58の教育施設、9つの病院、交通・エネルギー網、水・衛生施設などが被害を受けました。UNDPは、緊急雇用、基本的サービス、住宅や重要インフラの復旧・復興を通じて、ガザ地区のパレスチナ人住民の生活の再建を支援しています。